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【プロレス】豪傑列伝

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プロレスと格闘技界の豪傑のエピソードをまとめました。
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2024年7月の記事一覧

葛西純「あのババァ、医師免許持ってなかったんじゃねぇのか?」【豪傑列伝#26】

 プロレス界の〝狂猿〟こと葛西純は自他共に認めるデスマッチの天才だ。蛍光灯、画ビョウは日常茶飯事。11月20日にはあまりに危険なため過去3度しか行われていないカミソリボードデスマッチを敢行。デスマッチ史に残る戦いをくぐり抜けてきた男は、常識外れの生命力を持っていた。  デスマッチにこだわりを持つ葛西だけに、試合後の肉体はいつもズタズタ。生傷とは切っても切れない間柄だ。そんな葛西でも「あれはクレージーだった」という出来事があった。  聞くだけで身の毛もよだつ話だが、本人はケ

ゴルゴ13をライバル視した青木篤志「特別仕様なのか?それともデューク東郷の腕がいいのか…」【豪傑列伝#25】

 狙った獲物は逃さない。誰からともなく“有明のゴルゴ13”“金髪スナイパー”と呼ばれるほど、独特の殺気を持った男がいる。ノアの青木篤志だ。リング上ではスピーディーな関節技を得意とする青木は、自衛隊時代は銃の扱いに卓越し、射撃の名手として知られていたという。  青木が自衛隊に入隊したのは、高校卒業後の1996年4月。まず最初に埼玉・朝霞駐屯地で半年間の新隊員教育を受けた。予想以上に厳しい訓練が待ち受けていたが、青木は自分の特殊な能力に気がつく。  銃は使った後に入念な手入れ

カズ・ハヤシ「食いたくなったら食う。行きたくなったら行く。お金もためない!」【豪傑列伝#24】

 カズ・ハヤシは、マット界きっての食通である。プライベートでは「特にやることもない」というほどの無趣味人間だが、デビュー時から続けているのが“弾丸グルメツアー”。思い立ったら日帰りで日本全国を食べ歩いている。  プロレスと切っても切り離せないのが地方巡業だ。だからこそ、レスラーは各土地のおいしいものを知り尽くしている。特にカズは自ら「舌が肥えてる自信はある」と豪語するほど。人並み外れた食べ歩き経験がその自信を支えていた。  今では当たり前のように旅行代理店が“弾丸ツアー”

国際電話に150万円使った西村修「ケンカと愛の確認作業に…」【豪傑列伝#23】

 西村修は自他共に認める国際派レスラーだ。米国・フロリダに生活拠点を置き、これまでに訪れた国は26以上。世界レベルで活動を続けているだけに、国際人ならではの豪傑エピソードもあった。  住まいはフロリダの一等地。ヤンキース・松井秀喜の応援にも行く。散歩がてらインドに飛び立っては、気ままに欧州へ出向く。まるで渡り鳥のような生活を満喫してきた西村だが、その国際派ぶりは、予想をはるかに超えていた。  聞くだけでグッタリしてしまうが、無意味に海外を回っているのではない。新日本プロレ

伊東竜二「そのままバイクで病院にいったんですが、お医者さんが『緊急入院です』」【豪傑列伝#22】

「デスマッチの雄」大日本プロレスのエース・伊東竜二ほど命知らずの男はいない。何度も選手生命を脅かされる大けがを負いながら、不死鳥のごとく生還してきた。最強デスマッチ戦士の生きざまとは――。  流血は日常茶飯事。全身に刻まれた切り傷は100や200では収まらない。命も惜しまずデスマッチで暴れ回ってきた伊東だが、これまで2度にわたって「最悪の瞬間」に直面したという。最初の惨劇は2006年9月のBJW認定デスマッチヘビー級選手権だった。当時の王者・佐々木貴に挑戦した伊東は、約4メ