カズ・ハヤシ「食いたくなったら食う。行きたくなったら行く。お金もためない!」【豪傑列伝#24】
カズ・ハヤシは、マット界きっての食通である。プライベートでは「特にやることもない」というほどの無趣味人間だが、デビュー時から続けているのが“弾丸グルメツアー”。思い立ったら日帰りで日本全国を食べ歩いている。
プロレスと切っても切り離せないのが地方巡業だ。だからこそ、レスラーは各土地のおいしいものを知り尽くしている。特にカズは自ら「舌が肥えてる自信はある」と豪語するほど。人並み外れた食べ歩き経験がその自信を支えていた。
今では当たり前のように旅行代理店が“弾丸ツアー”を組んでいるが、当時は珍しかった。とにかく日帰りが絶対条件のため、現地滞在時間は食事を含めて平均2~3時間。つい先日は「どうしても生ラム肉が食べたくて」と思い立ち、ジンギスカンを食べるため、飛行機に飛び乗った。羽田から新千歳空港まで往復約2時間、札幌では食事の1時間だけ滞在し、計3時間強で東京に帰ってきた。
この十数年間で費やした交通費は「何百万円では利かない」ほど。しかし、滞在時間が極めて短いため、写真やお土産など思い出の品は何も残っていない…。
デビュー当時、レスラーらしいエピソードを作るため意図的に始めたことが、今やカズのライフスタイルに影響を与えているというから、人生分からない。
カズがオススメする日帰りグルメは「肉なら北九州市のハンバーグ(注・名店があるらしい)、北海道のジンギスカン。魚なら下関のフグ」とのこと。全日ジュニアの第一人者は今日もうまいものを求めて、日本のどこかを飛び回っているのだ。
※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。