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所ジョージがちょうど40年前に語っていた〝初体験〟

 一応、私、所ジョージさんも一人前に〝自伝〟なんツーのを書いてはおります。書いてはおりますが、私、所さんの場合は思い出とか、過去ツーのはまるでない。ほとんど覚えていない。そういう人なんであります。スんゴイですねえ!

 年とってから「過去を振り返る」というのは、まァ、それなりにスルドいと思いますが、オレ、まだ若いんだもんね。

 まァ、いまんところは〝いまんところを生きるだけ〟と、このようにカッコよく考えとるわけです。

 で、なんの話だっけ……あ、女の話? ウーン、思い出せませんねぇ、それじゃあ困る? でしょうねえ、それは。

 じゃあ、無理やり思い出します。初体験の話ね。確か、高校三年ぐらいだったな…。

 仲間三人ばかりと車飛ばして海に行きました。……ウーン、思い出しそうだぞ。

 場所は白浜か御宿。どっちか忘れた。海だったことは確か。

 もちろん海ったって泳ぎになんか行かないよ。水なんてつかんない。よく〝海に泳ぎに行く〟なんツーことをいって本当に泳いじゃう奴いるけど、あれはバカ。

愛車を披露する所ジョージ(1984年)

 オレ達、もちろん女よ。女め当てよ。そこで知り合った子とやったのが初体験というわけ。ハッキリいって別にどうってことなかった。女ってこうなのか! なんて感動しちゃう奴がいるけど、そんなこともなかった。

 その子の名前とか年とか何やってんのかって全然知らない。いまだに知らないっていうからスゴイ。

 思ったのは「ああ、これで友達と同じになれたんだな」ツーことですね。とにかく仲間うちではヤッテないと話にならない。相手にされない。オレも同じになれたツーのがうれしいのでありました。

 なんか、調子狂っちゃうなとお考えの読者のみなさんもいらっしゃるんでしょうが、それでも、これで所さんの初体験の話はおしまいなのでありました、。めでたしめでたし。

※このコラムは1984(昭和59)年10月16日付、東京スポーツ紙面の「広げようHの輪っ」を再掲したものです。


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