赤塚不二夫がちょうど40年前に語っていた〝次から次へ〟と女を変える理由
のっけからナンですが、女がイク瞬間って面白いですねー。
「プッスー、プッスー」
と空気の漏れるような呼吸をはじめるのや
「ね、ね、わたし達、今何してんの、ね、ね、ねー」
「オ×××」
「オーッ! イグーッ!」
といった記号論的田舎ホステスのや「結婚してェー結婚してェ~アーンお嫁に行けなくなるう、結婚してェ~」
というオールドミスのや「ウーウー」
とケダモノがうなっているようなのや「もっと!もっとー! 思い切って私を壊してもいいのよーッ」
といささか感度がニブいのやら、突然「ね、あなた今、何考えてるの、ね…」という全然感じてないのやら百人百練であります。このエッセーシリーズでも、すでにご紹介ずみのお話を、どうしてむし返したかといいますと、つまりなぜ、小生が結婚しないで、次から次へと女を変えているかの理由を書きたかったからでして。
もう読者諸兄も、お分かりかと存じますが、小生はこのアヘアヘが毎日、変わったほうがいいと考えておるんですな。
二度、同じアヘアヘを聞きたくない。漫画読者の方でしたら、四コマ漫画のオチが毎日同じでしたら、やっぱりおいやでしょう。この漫画家バカかと思うでしょう。
ちょうど、それと同じことが、小生の場合は、女になっているわけですね。
一人の女を深く愛して、いろいろなコトを開発する……こういった努力ができない代表なんです。要するにセッカチとこ。面談即決で快感がほしいというわけでして、どうも困ったもんです。
ギャグ漫画という仕事の副作用なのでしょうか。劇画家のように女に粘り強くなれないのであります。
こういうことを長年続けていると、女達のほうもそのへんを心得てくるヤツが出てくる。つまり、自分の性欲がイイ男で処理・解決できないで欲求不満になると、とりあえず不二夫とイッパツやって、また新しい男を探そうという気になる。
つまり、小生はホンのお道具がわりというわけでして。でも、それでもいいもんねー。男はいつでも女をヤッちゃうんだし、女はヤラれるんだもーん。といったら怒った女がいました。
☆あかつか・ふじお=1935年・中国生まれ。漫画家。著書に『おそ松くん』『天才バカボン』『ギャグゲリラ』などがあり、最近『ニャロメのおもしろ数学教室』『ニャロメのおもしろ宇宙論』『ニャロメのおもしろコンピュータ探検』を出版し、漫画の世界に新分野を開いた。