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浜亮太「リングでは体重が武器になっても普段は敵」【豪傑列伝#20】

今回は身長176センチながら体重203キロの超巨漢、浜亮太の登場だ。驚異の肉体を誇る浜の破壊伝説とは…。

これほど規格外なレスラーも珍しい。0・2トンの体重は対戦相手の脅威となるだけでなく、壊れるハズのない物まで破壊してしまう。昨年8月、デビュー前から早くも横浜市内にある道場で事件が起きた。

【浜の話】合同練習の時に、普通にロープワークをしていたら「バキン!」って変な音がしたんスよ。みんなは「(ロープを固定する)ネジの山が潰れたんだろう」と言ってたんですけど、実際はロープの中のワイヤが切れちゃったッス。あとで武藤(敬司)社長に「修理代がかかるだろ!」って怒られたッス…。

武藤社長(当時=左)に説教を食らう(?)浜(2008年11月、全日事務所)

まさに人間凶器だ。日常生活でも、ふとした瞬間に浜周辺の物は次から次へと壊れていく。パイプイスに座れば、脚がアメ細工のようにグニャリと曲がり、浜が“生息”する合宿所の木製イスも限界が近い。

【浜の話】まだ武藤社長に報告してないんですけど、つい最近、自分の部屋の壁に30センチぐらいの穴を開けちゃったんスよ。部屋で転んで、ヒジを壁に当てたまま起き上がろうとしたらズボッと…。このコーナーを読んで武藤社長が知ったら、やっぱり怒りますかね。手遅れでした。社長、スミマセン!!

一方で、浜が一般人と共生するには常に多大な苦労が伴う。運転免許を持たない浜の移動手段は、電車やバスなどの公共機関が中心となるのだが…。

【浜の話】電車は2人分のスペースがないと座れないんで、ほとんど立ってるッス。立つ場所もドアの近くは邪魔になるんで(車両の)端が多いッスかね。あと、駅の改札機って通るところが狭いッスよね。自分、横向きにならないと通れない。腹が立つのは、エスカレーター。乗ってれば勝手に(体を)運んでくれるのに、歩いて上り下りする人がいるじゃないッスか。自分が立つと、どうしたって(一段を)ふさいじゃう。急いでるなら、階段を走れって感じッスよ。ああうっとうしい。

浜は200キロ超の〝天然記念物〟だけに、一般人には理解できない悩みを抱えている

やや理不尽な言い分ではあるものの、意外にも浜にとって最大の難所はトイレだという。特に、和式しかない場合は拷問に等しいそうだ。

【浜の話】和式だったらスクワットをやるのと変わらないじゃないッスか! 自分の体力の消耗度は普通の人と比べものにならないから。ヒザに負担がかかり過ぎてたまらない。鳩山(由紀夫)首相に、日本にあるすべてのトイレを洋式の温水洗浄便座に替えてもらいたいッス。

 大阪・西陵中学卒業後、1994年に八角部屋へ入門。80キロだった体重は4年後に130キロとなり、その後、わずか3年で200キロの大台に到達した。

【浜の話】酒を覚えてからは体重が増えるのは早かった。リングでは体重が武器になっても普段は敵。意外と肩身が狭いんですよ。これからも細々と生きていくッス、ハハハ。 

※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。

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