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人生2回目のカーリング体験…今度は転ばなかった!

 カーリングの波を止めるな――。2月の北京五輪で女子日本代表のロコ・ソラーレ(LS)が銀メダルを獲得。カー娘フィーバーが巻き起こった一方で、関係者たちはブームの継承に奮闘している。

左からフォルティウスの船山弓枝、近江谷杏菜、小野寺佳歩、吉村紗也香、小林未奈、ロコ・ソラーレの藤沢五月(22年7月、横浜銀行アイスアリーナ=ⒸJCA)

 日本カーリング協会は指導普及委員会らが中心となって、競技普及の一環として各地で体験会を実施。先月31日に神奈川・横浜銀行アイスアリーナで開催した体験会には、約150人以上が参加し、講師を務めたフォルティウスのスキップ・吉村紗也香(31)らメンバー5人と、LSのスキップ・藤沢五月(31)が石の投げ方やスイープのコツを伝授した。

北京銀メダリストの藤沢五月が指導(22年7月、横浜銀行アイスアリーナ=ⒸJCA)

 当初はフォルティウスのメンバーのみが参加予定だったものの、藤沢も忙しいスケジュールの合間を縫ってサプライズで登場。会場からは大きな拍手が起きた。改めて藤沢の人気ぶりに驚かされたと同時に、私も数々の神対応を目の当たりにした。各グループを回って指導する際には「お世話になっております。よろしくお願いします」と丁寧にあいさつ。さらに、緊張している参加者に対し「シミュレーションはばっちりですよね?」と冗談半分で声をかけるなど、周囲を和ませる視野の広さに感心しきりだった。

体験会に多くのファンが参加した(22年7月、横浜銀行アイスアリーナ=ⒸJCA)

 ちなみに、私も「カーリングを実戦で学ぼう」と思いで体験会に参加。一般的に石は手首を軽く返しながら回転をかけて投げるが、ふと「左右どちらに手首を返すのがベストなのだろう?」と疑問が湧き、藤沢に質問してみた。すると、藤沢は「氷の状況によって変わってくるけど、真っ直ぐに投げればいいように見える場面でもやっぱり微妙に曲げたりする必要があるので、状況に応じて右に返すか、左に返すかを決めますね」と丁寧に答えてくれた。私はとにかく石を真っ直ぐ投げるのに必死で、回転をかける余裕など正直なかった。

 ただ、藤沢らの指導のおかげで、昨年10月の体験会よりはカーリングスキルが向上。当時は石を投じる際に転倒してしまうほどだった。しかし、この日は多少ぎこちない中でもバランスを崩すことなく、石を投じることに成功。しかもミニゲームでは、本来の距離(約40メートル)の半分とはいえ、スキップとしてダブルテイクアウト(相手の石を2つ一気に弾くショット)を決め、チームを勝利に導いた。だが、たった少しの実戦で頭と身体はヘロヘロ。トップ選手たちは的確に状況を判断した上で、当たり前のように石を投じるスゴさを改めて実感した。

ストーンを投げているのが私です。今回は転ばずに投げられました(22年7月、横浜銀行アイスアリーナ=ⒸJCA)

 この日は藤沢だけでなく、吉村らも熱心に参加者を指導。かつて吉村も「競技だけではなくて、普及活動や強化という部分でも、自分ができることはまだある」と話すなど、カーリング界全体が競技普及に強い信念を抱いている。専用施設の不足など、課題が山積みなのは事実。それでも、選手・関係者が一丸となった取り組みを継続していくことが、未来につながっていくのではないだろうか。私もできる限りの形で、カーリング界の発展にひと役立てたらと思う。(運動2部・中西崇太)

子供たちにカーリングを教える藤沢五月と小野寺佳歩。未来のスター選手へと成長してほしい(右、ⒸJCA)

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