後藤洋央紀 おじいさんの幽霊に一発張り手するも「当たりませんでした…。」【豪傑列伝#17】
心霊現象に興味を持つ人間は星の数ほどいれど、実際に100か所もスポットを回る度胸の持ち主はそういない。新日本プロレスの荒武者・後藤洋央紀は、そんな男の一人だった。ある究極体験をするまでは――。
“デビュー戦”は愛知県豊田市の旧伊勢神トンネル。トンネルの中に入ってクラクションを3回鳴らすと霊が寄って来るということで有名な場所だった。
そんな心霊スポット通の後藤でも忘れられない場所が、富山県にある廃屋旅館だ。「肝試しに向かった女性が失踪した」「関係者が自殺した」などというウワサが絶えない恐怖の場所である。
しかし、そのしばらく後に悪夢に襲われる。ある日、大学の寮で昼寝を決め込んでいた後藤は、急に金縛りにあって身動きが取れなくなった。すると…。
転機は突然訪れた。なぜか富山国体の後から左肩を脱臼しやすくなり(01年の)新日入団1年目、練習中に完全に肩を壊してしまい、退団を余儀なくされた。治療も兼ねて地元の三重・桑名に帰郷した時、同期の柴田勝頼が知り合いの(整体の)先生を紹介してくれた。そこで衝撃的な言葉を聞く。
この一件以降、後藤は心霊スポット巡りをやめた。新日に再入団してからは上昇気流に乗り、昨夏はG1制覇IWGP王座も遂げた。災い転じて福となす、という最たる例かもしれない。
※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。