「思えば遠くへ来たものだ～」続きの歌詞は忘れてしまいましたが、最近折に触れ、ふとこのフレーズを思い出す機会が増えました。そうです、そんなこんなで、ついにYouTubeの登録者の方が１０万人（※現在は１２万人）を超えたのです。いやはやありがたい、本当に皆様、皆々様に感謝です、有難うございます。（写真映像部・前田利宏）

銀の盾をもらうまでカオスな道のりだった

　東スポが運営するYouTubeチャンネルは２つあり、開設はほぼ同時期１０年程前です。自分が携わり始めたのが５年くらい前なので正直それ以前の事はあまりよく分かりません。数年来かなりカオスな状況があり、区別が曖昧だった２つのチャンネルをそれぞれ「東スポレースチャンネル」と「東スポチャンネル」という名前にして、コンテンツ中身を明確に分けるのにかかった５年だったような気がします。そして、その一方の「東スポレースチャンネル」のフォロワー様が１０万人に到達、〝銀の盾〟が米国から宅配便で来て、今に至るという訳なのです。

　そんなカオスの５年、動画に携わり始めてからありとあらゆるジャンル、いわゆるYouTubeっぽい動画を２つのチャンネルで片っ端から作ってきました。『燃えよドラゴン』的に言えば「Don’t Think, Feel!」の精神でなんでもかんでもやって来たように思います。
 
　ボートレース 、競輪、オートレースといった公営レース動画を軸に、競馬ニュース風動画、各種インタビュー動画、芸能ニュース風動画、クイズ番組風動画、旅番組風動画、グルメ番組風、各所告知番組風、アプリ紹介、またレースの配信番組や、はたまた餃子CM等々、とりあえず「できる？」と聞かれたフリには大体全て「多分、できます」と言ってきました。

頭が真っ白になった比叡山延暦寺ロケ

　最も記憶に残る鮮烈な無茶ぶりは３年くらい前のことでしょうか。関東育ちなもので、恥ずかしながら生まれて初めて比叡山延暦寺を訪れたときのことです。雨が降りしきる中、車を降りた途端に「３０分で延暦寺のロケしてくれる？」と宣言された事が一番強烈なフリでした。とりあえず本堂まで辿り着くと、目の前には絶賛全面補修工事中でシートにつつまれた荘厳な景色が広がっており、方向感覚ゼロのまま、何から手をつけていいものやらと一旦頭が真っ白になった事を覚えています。
 
　このように多種多様な無茶ぶりに応え続けて来たのですが、別に意地とか、やせ我慢精神的なものから、やってきたのではありません。世のYouTubeを見ていると、大体皆さんやっていることなのでそんなに困難な事だと思わなかったのです。これだけ多くの人がやっているのだから、多分自分もできるだろう、という楽観的な判断でここまで来たのです。

左手にビデオカメラ、右手にスチールカメラのリアル二刀流

　そういえば、すっかり申し遅れましたが、自分はカメラマンです。今は境界線が曖昧になりつつも、基本的には新聞社のカメラマンなので、本来ならば写真が専門です。普通、動画は撮りません。さらにぶっちゃけて申しますと、今ある２つのチャンネルで、YouTube専任で仕事をしている人間はおりません。５年前より携わる人数はかなり増えたのですが、それでも、各々、写真記者業務をしながら動画撮影編集という様に、軸足をYouTube以外に置いていまして、両足突っ込んでいる人はいないのです。端的に例を挙げますと、自分がボートの水神祭を撮る時は、左手はビデオカメラでYouTube、右手はスチールカメラで新聞用の写真を撮ってるといった塩梅なのです。東スポのYouTubeに関わっている人間は大体そんな感じなのだと思います。

テレビ局の音声スタッフが神々しく見える

　さて、ここで言い訳を１つ。ＹｏｕＴｕｂｅのコメント欄でとにかくご指摘頂くのが「音が悪い」とのお言葉です。それに関しては本当に申し訳なく思いつつも、言い訳としましては専門の人間がいない、というストレートな原因があるのです。テレビクルーの方々を現場で拝見するたびに音声スタッフの方々が神々しく見え、専門の方がいらっしゃるのは非常に羨ましいなと思うのです。もちろん我々も日々勉強しつつ、機材を購入しつつ、改良しつつ、ではあるのですが皆様が求めるレベルになかなか到達することができず、申し訳ありません。撮影クルーなどは夢のまた夢、新聞社のカメラマンは基本ランボー、いわゆるワンマンアーミー。１人で現場に行って１人でサバイブして帰って来いよ、という感じなので音声のクオリティは推して知るべし。現在のような状況でございますです、すいません。 
 
　言い訳が続きますが、この様に、新聞の取材をしながら動画を撮るというミニサーカス的な事をしていると、結局ある程度のクオリティになってしまうのです。なのでYouTubeに携わって気づかされたことは世のYouTuberの方々のすごさです、クリエイターの皆様は本当にすごいです。ということで、言い訳ついでにお願いです。もし音声に詳しく、現在就職を考えている方がおりましたら、弊社来年度採用が開始されているらしいので、腕に覚えのある方、興味ある方募集要項をぜひご覧下さい。

　そして冒頭の「思えば遠くに来たものだ～」といった感じの動画をまた作りました。来たる１０月１日公開の動画では、ついにミュージックビデオ撮影をしたのです。新入社員にバンド経験者が多かったそうで、それならバンド組んで東スポ餃子のPRしてもらおう、という短絡的かつ内輪受け的かつ、いろいろやり過ぎて感覚がバグってる企画をやりました。５年前には全く思いもよらなかった事ですが、いつのまにかMV撮影にまで辿り着いてしまったのです、本当に遠くまで来てしまいました。怒涛の日々の果てにどのように漂着したのか、どんな所にまで来たか、１０万人に達していない「東スポチャンネル」で近日絶賛公開しますのでご興味ある方はぜひご覧下さいませ。

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