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自費診療で受けられるテストステロン補充療法ってどんなもの?

 性は生なり! この連載の読者のみなさんはおなじみでしょう、「元気ホルモン=テストステロン」。この人間にとってのエンジンオイルとも言える大事なテストステロンは一般的に年を重ねると低下していきます。

エンジンオイルがなければ車もきちんと動かない(写真はイメージ)

 個人差がありますが、男性は20代をピークに、徐々にテストステロンは落ち始めます。20代と比べると40代では約8割、50代で約6割、60代では半分程度に…。ただ「数値で評価するのは難しい」と亡き男性医学の父(熊本悦明)は言っていました。

 というのも若い時に人一倍、テストステロンが高くアグレッシブなタイプほど、加齢とともにテストステロンが落ちてくると、たとえ平均値より高くても「元気が出ない」「何もやる気が起きない」と症状を強く感じる傾向があります。父の外来には「とにかく元気になりたい」と訴える70、80代の方が、自費診療で定期的にテストステロン補充して元気を取り戻していらっしゃいました。

加齢とともにテストステロンは減る(写真はイメージ)

 ある時、80代後半の温厚そうな感じの患者さん(会社役員)に「テストステロンを打って変わりました?」と伺ったところ、「全然違います。いや、女をね、下敷きにできると思ったんです」とドヤ顔で返されました。「えっ…。どういう意味ですか? 男尊女卑ホルモン!?」とおびえて聞き返すと、「ハハハ、冗談ですよ。前は妻にガミガミ言われても言い返す気力すらなかったけど、今は黙ってろと言える」と。

 テストステロンも過剰だと暴力的になるリスクがあります。父は「さじ加減が重要」と慎重にテストステロン補充療法を行っていました。何事もバランスが大事ですね。

熊本美加(くまもと・みか)医療ライター。男性医学の父・熊本悦明の二女。男女更年期、性感染症の予防と啓発、性の健康についての記事を主に執筆。


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