高校球児の汗と涙と青春に心を打たれた新人野球記者の『夏の奮闘記』
みなさん!お久しぶりでございますm(__)m 「よく笑い、よく食べる人間」こと塩島です。
前回のnoteでは「就活」をメインに書きましたが、初回の最後でも触れたように、仕事に慣れたこのタイミングで野球にまつわるお話をさせていただこうと思います。
それでは...プレイボール!
What is 『UNDO ICHIBU(=運動一部)』?
5月に辞令が交付され、運動一部(=野球専門の部署)に所属してから半年以上が経ちました。基本的に野球記者は「担当球団」というものがあり、プロ野球12球団のうち1つの球団を担当。雨の日も風の日も付きっきりで取材をし、記事を書きます。ただ私は今年いっぱいの間、担当がない遊軍記者として様々な野球の現場に行く仕事を命じられています。「いろいろ勉強してね」ってことだと思います。
一例として、試合日の時(ナイターゲーム&ホームの場合)のスケジュールを一緒に見てみましょう!(※デーゲームやビジター、シーズンオフの場合は時間が大きく変わります)
といった感じのスケジュールでシーズン中は動いていました!まあなんとざっくりなんでしょう(笑)!
プロ野球の平均試合時間は約3時間ですが、試合展開によって左右されます。遅い日には試合が終わった22時過ぎから本格的な取材となります。さらにはホームとビジターで球場の練習開始時間が大きく変わり、ホームゲームの場合は休憩時間が異様に長いです。(長すぎるので、塩島は巨人のホームゲーム日は、水道橋のプロレスショップ『闘魂SHOP』に行って心を潤しています)
一般的なサラリーマンと比較すると、勤務時間がかなり変動するので「ほんと独特な職業だな~」と感じます(笑)。
現場に出る記者はどの部署もそうですが、終業時間も一定ではなくまちまち。直行直帰が基本で私自身、6月以降本社には1回も出勤していません。
出張する時も、先輩と駅に待ち合わせして向かう...ということはありません。会社用の携帯で先輩から「〇時までに球場に着くように」と言われたら、その時間に合わせて新幹線や電車に乗って現場に向かいます。初めは少し不安でしたが、慣れちゃえば移動時間に選手の情報や聞きたい質問を練ったりすることもできますし、ひとりなので先輩に気を遣うこともありません。試合前に打ち合わせや報告を端的にして意見交換をスピーディーにするので、意外とストレスフリーな働き方だなと思います。
ただ試合日の拘束時間は1、2を争うほど長いと思います。野球記者になるのであればそれは覚悟しておいた方がいいでしょう。カープ担当の記者Aさんは「長すぎて野球嫌いになってくるよ(笑)」と冗談交じりで言うほどです。ちなみにまだ私は「野球イヤイヤ病」はまだ発動していないです。
そんな私でも一皮むけた..!と実感したとある出来事があります。それは夏の風物詩である甲子園(=全国高校野球選手権大会)を取材した時です。
夏の一大イベント「甲子園」取材、無事完遂!
6月か7月くらいだったでしょうか...。部長から「塩島と松岡の2人とも高校野球の取材に行ってもらうから。8月4日の組み合わせ抽選会から最後の決勝まで、大変だと思うけどよろしくな!」と言われ、野球大好き人間の私は心で快哉を叫び散らかしました。なぜなら、将来のプロ野球選手を目指す〝金の卵〟を直接取材し、歴史のある高校野球を肌で感じることができるからです!
試合がある日
ところがウキウキしていたのも束の間、部長がおっしゃっていた「大変」の意味を身をもって知ることになります。まずは、酷暑です。余裕で気温35度を超える暑さと戦いながら試合を見るのはとてもつらかったです。それでもネタの〝きっかけ〟をつかめればと何度も応援席(アルプススタンド)に足を運びました。
次にホテルの連泊です。同じ部署で同期の松岡くんのnoteにも書いてありますが、19~20連泊します。もうホテルと友達になります。今年は雨による試合の順延はなく日程通りとなりましたが、順延続きだったらどうなったことやら...今思うとひやひやします(笑)。
さらには、東スポは夕刊娯楽紙なので他のスポーツ紙よりも記事の「独自性」が重要です。甲子園の開催期間中、紙面には『ズームアップ甲子園』というコーナーが設けられ、勝利した高校の意外な話や独自ネタを皆さんにお届けすることが求められます。なので、試合中はスコアブックを付けることよりも事前に配られる選手のアンケート(趣味やおすすめのチームメートなど、選手の性格が分かる貴重な資料です)と出場高校の資料とをにらめっこしながら、「どの選手にどんな話を聞くと面白いことが出てくるのか」など質問を考えに考えていました。
試合後は選手&監督のお立ち台取材と、インタビュールームでの取材です。このインタビュールームでの取材は、ペンとテレビ含めて20分。ネタを集めるのにこの20分はまるで〝砂漠のオアシス〟のようなとても大事な時間でした。ここで重要なのは、主力選手も大事ですが控え選手に話を聞くということです。控え選手は主力選手のことをよく見ており、面白い話を持っている生徒が多かったのです。甲子園に向かう前に部長のMさんから授けられたアドバイスは「無理して主力選手は行かなくていい。むしろ切り捨てる勢いで。独自ネタを取るなら2ケタ背番号の控え選手に聞くのが一番」でした。まさに部長が言った通りでした。
トーナメントを勝ち上がってゆく高校には何度も取材で話を聞くことになります。だんだんと選手にも顔を覚えてもらい、今年優勝した京都国際高校の生徒さんには、優勝後に「金メダル掛けてみます?」と言われ、首にメダルを掛けてもらいました。うれしさでいっぱいでした。あの時優勝メダルを掛けてくれた生徒さん、ありがとう!(私が書いた京都国際高校さんの記事は↓です!)
試合がない日
試合がない日は何をするのかというと、練習会場に赴き取材をします。ここでも独自で話を聞くことができる時間が意外と取れます。例えば、名物監督でもある広陵(広島)の中井哲之監督に何気なく質問した時も、会話が途切れず10分以上にも及ぶ面白いお話を聞くことができました。そしてそのネタが大きく紙面に。思いもよらないことがたくさん起こりました。
他にも、元巨人の選手で現在は東海大相模(神奈川)の原俊介監督や広陵高校とよしもとのお笑い話、大社高校(島根)出身のお笑い芸人さんのお話...とズームアップ甲子園で掲載していただいた記事がたくさんあります。一部ではありますが、下に記事を添付しておりますので、見ていただけますとうれしいです!
こうして無事に野球記者の〝登竜門〟でもある甲子園取材を完遂しました!ミッションコンプリート!
個人的には元ヤクルトの正捕手・古田敦也氏を間近で見る機会にも恵まれ、感動しました!(泣)古田さん、カッコよかったな~。
終わりに
いかがでしたか?夏という夏をとうに過ぎ、「今かいな(笑)」と思った方も多いかと思いますが、「甲子園の出来事と所属部署については絶対書きた~い!」と思っていたので、ペンが走り出してかなり長くなっちゃいました(苦笑)。
次回noteを書くころにはおそらく担当球団も決まっていると思いますし、現在進行中の「プレミア12」で活躍する野球日本代表「侍ジャパン」のお話もできたらなと思います。最後までご覧いただきありがとうございました!ゲームセット!(運動一部・塩島惠)