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2004年、起用法でもめた若松監督が笑顔を見せてくれるまで…【岩村明憲連載#6】

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外野コンバート案にカチンときて「オレもう出なくていいですよ!」

声援に応える岩村、つば九郎(04年7月、神宮)

声援にこたえる岩村とつば九郎(04年7月、神宮)

 パワーアップを目的に1300グラムのマスコットバットをキャンプで用いていた僕は、2003年の開幕戦で右手首を骨折しました。

 ヨーイドンでいきなり骨折だから、それは心がくじけました。バットとの因果関係も散々言われましたが、やってしまったものはしょうがない。そこは気持ちを切り替えて、懸命にリハビリに取り組みました。

 そして一軍を目指して、ファームで調整している時のことです。ケガの経過報告で5月ごろ、神宮に行った時に新聞記者に「若松監督が外野をやらせるかもと言ってますけど、どうですか?」と聞かれたんです。

 その時は寝耳に水だったこともあり、「外野やるぐらいなら、オレ野球辞めるわ!」と言ってしまい、“岩村、反発”と、スポーツ紙に大きく取り上げられる事態となりました。

 そこまで3年連続で、三塁手としてゴールデン・グラブ賞を獲得していたプライドもありました。西武から移籍してきた鈴木健さんが素晴らしい選手ということは分かっていましたが、そう簡単にコンバートされてはたまらない。悔しい気持ちでいっぱいになりました。

 ただ、その後、ファームで調整していると、今度は正式に小川二軍監督から「若松監督が二塁をやってくれと言っている」と伝えられました。この時はチーム事情も考慮して了承しました。グラブも持ってなかったので、親交のあった巨人の仁志敏久さんにグラブを譲ってもらったりするなど、準備を整えました。

仁志がバットとグラブにまつわる道具論を語った連載がこちら

 ファームの試合に二塁手として何試合か出場し復帰に備え状態も上がってきたので、いよいよ一軍合流という時になって、また若松さんから電話がかかってきました。

 その年は後半の開幕戦が札幌ドームで行われることになっており、午前中の練習を終えて、いよいよ札幌に向けて出発するというときだったので、今度は何かなと。すると「二塁やらせていたけど、今(二塁を守っている)土橋も調子いいんだよ」と言うワケです。僕としては、「はあ」としか言いようがありませんでした。

 続けて「(三塁を守っている)鈴木健も調子がいいんだよ。お前が上がっても出るところがないんだ」と“通告”されました。

 これにはカチンときて「じゃあ、オレもう出なくていいですよ!」と口走っていました。さらに「リハビリしていたほうがいいということですか!?」とさらに突っかかってしまい…。

松村邦洋(左)に声をかけられる岩(06年8月)

練習中、松村邦洋に声をかけられる岩村(06年8月)

 若松監督も何とかして僕を使おうと考えてくれたんでしょう。「お前、センターできるか」と、春先にささやかれていた外野コンバート案を再度持ち出してきました。

 しかし、僕が外野を苦手にしているのは若松監督が一番、知っていたはずで…。

若松監督が初めて笑顔を見せたのは…

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 2003年後半の開幕戦、起用をめぐって僕と若松監督はもめていました。

 理由は二塁コンバートを伝えられていたところ、急きょ外野を命じられたことにありました。

 ただ僕がやみくもに反発したかといえば、そうではありません。外野守備に不安を抱えていたことが根底にありました。

 若松監督就任1年目の1999年のオープン戦、西武ドームで行われた試合でした。僕が左翼を命じられて守った試合があったんですが“バンザイ”してしまったんですね。ボールが天井と重なり、完全に見失ってしまった。落球の様子を見て、若松監督はそれ以降、僕に外野を命じることはありませんでした。

 その経緯もあったので僕は外野守備を命じられ、最初は難色を示しました。とはいえ、復帰戦を目前にしてこれ以上、もめたくはない。“分かりました”と収め、試合が行われる札幌に飛びました。

 いざ行われた中日との試合では助っ人のトッド・ベッツの代走での復帰となり、守備は三塁を守ることになりました。

ホームランの岩村(04年7月、神宮)

本塁打を放ちガッツポーズする岩村(04年7月、神宮)

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