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〝散財王〟真壁刀義「丼勘定はレスラーの美学だろ、やっぱり」【豪傑列伝#19】

「丼勘定はレスラーの美学」。新日本プロレスのG1クライマックス覇者・真壁刀義はマット界屈指の「散財王」としてその名をはせる。プロレス界で初めてフェラーリのオーナーになるも1年で売却…。真壁の異常なまでの金遣いの荒さに迫った。

G1に優勝して大好物のモンブランを事務所の女子職員に食べさせてもらう真壁(2009年8月、新日事務所)

 散財王・真壁の歴史は、1996年の新日プロ入門時から始まった。幼少時代はお年玉をしっかりと貯金するような子供だったが、プロレス界に入ると一変。晴れてデビューを果たし外出禁止令が解かれると、タガが外れて湯水のようにカネを使った。

【真壁の話】とにかくあらゆる欲に忠実なんだ、オレは。寮にいた時代は、当時出ていたエロ本を全部買ってたな。道場近辺のコンビニの経営が成り立っていたのはハッキリ言ってオレのおかげ。でも、ロクに目も通さないまま後輩に与えることもザラだった。カッコイイ先輩だろ?

 全然カッコよくはないが、金遣いの荒さは年々エスカレートする。デビュー3年目にしてポルシェを購入するなど、後先を考えない買い物を繰り返した。2001年のプエルトリコ遠征では連日、外国人レスラーを誘って豪遊し、食事に行けばチップを期待したウエーターが“真壁争奪戦”を繰り広げる始末。ついには一文無しで帰国するハメとなった。極め付きは04年だ。真壁はフェラーリ・テスタロッサを購入。プロレス界初のフェラーリオーナーとなった。もちろん長期ローンだが…。

2004年にはフェラーリまで買った真壁だが…

【真壁の話】やっぱこの世界入ったらさぁ、誰でもスーパーカー乗りたいじゃん。結局、維持費が払えず1年で手放すハメになったって? うるせえ、バーロー。でもひと言で言えば、ノリで買っちゃったよね。アレが一番の失敗した買い物になんのかなあ…。まあ、女も車も1年くらい乗ったら飽きちゃうだろ? ちょうどいいんだ、そのくらいが。ダハハッ。

 現在に至っても散財癖には改善の兆しがない。G1優勝賞金1000万円は、巡業中に大暴れして備品を破壊した体育館の修理代(愛媛・今治と岡山)、そして相変わらずの豪遊を繰り返したことで1か月も持たずに消えたらしい。それでも真壁の辞書に「貯金」の2文字はない。

【真壁の話】宵越しの金は持たねえ主義なんだ。でもよ、丼勘定はレスラーの美学だろ、やっぱり。少なくともレスラーのうちはこれを貫くぜ。オレは「貯金ゼロ円のスーパースター」だ。な? 夢があるだろ? 

※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。



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