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馬体がすばらしいと思う馬3選

さて、みなさんお久しぶりです。再びわたくし、権藤の番がやってきましたね。

レース部に配属されて約半年。毎週トレセンに足を運んでようやく馬体の良し悪しがわかってきたような気がしています。そこで今回は「権藤流!馬体診断術」をお届けします。(レース部・権藤時大)

馬も陸上選手の体つきに似ている!?

僕が馬体を見る上で重視していることはズバリ、いかに距離に適した筋肉の発達をしているかです。

例えば陸上競技の短距離走を思い浮かべてみてください。現役時代のウサイン・ボルトをはじめ一線級の選手の体はかなりごついと思います。爆発的なスピードを得るためには、地面からの反発力を筋肉というバネを使って加速させる必要があり、そのためあのような体型になったと言われています。ですが距離が長くなるにつれてすらっとした体形にシフトしてきています。

リオ五輪100m金のウサイン・ボルト(2016年8月、カメラ=中田卓也)

馬も同様で短距離やダートの馬はかなり筋肉が発達したマッチョな馬、マイラーなどになると前躯と後躯の筋肉がバランスよく発達したいわゆる「ボンキュッボン」な体型。中距離以降になると均整の取れたすらっとした馬体、要はスレンダー系に主流は変わっていきます。もちろんこれはあくまで傾向で、ステイヤーズS(中山芝3600m)やダイヤモンドS(東京芝3400m)といった超長距離を走る馬の馬体にはある程度ばらつきがあります。こちらは体型うんぬんというより完全に心肺機能での勝負。中央馬で最軽量(JRA出走馬最小馬体重記録330kgを持つ)となるメロディーレーン(牝6)も地のスタミナで活躍できているのでしょう。

小柄なメロディーレーン(2021年10月、カメラ=味村直人)

ではここからダート/短距離、マイル、中長距離の3部門にわけて、馬体のすばらしい馬を1頭ずつピックアップしたいと思います。

トモの筋肉がブリっと発達しているレモンポップ

交流GⅠ・南部杯(盛岡ダート1600m)で2着・イグナイターら実力馬を相手に大差勝ちを収め、格の違いを見せつけたレモンポップ(牡5・田中博、父Lemon Drop Kid)。

フェブラリーSを制したレモンポップ(2023年2月、カメラ=大須賀一正)

この馬の馬体の特色は何といってもブリっと(もちろん褒め言葉です!)発達したトモの筋肉です。あそこまでハリのあるトモを持つ馬は美浦にはいないといっても過言ではないでしょう。そしてそれはやはり初GⅠ制覇となった今年のフェブラリーS(東京ダート1600メートル)のパドックで2人引きしていたことや力がいる砂も苦にしない推進力抜群の走りにも表れています。

こちらは今後は12月4日のチャンピオンズC(中京ダート1800m)に出走予定。初となる中距離挑戦でどんな走りを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

超高出力エンジンを搭載するソーヴァリアント

次にマイル。先日の富士S(東京芝1600m)で初のマイル参戦ながら3着と奮闘してみせたソーヴァリアント(牡5・大竹、父オルフェーヴル)です。

追い切りで飛ぶように走るソーヴァリアント(2023年10月、カメラ=國分克彦)

このソーヴァリアントの馬体の凄さは何といっても前躯とトモ(体の後ろ半分)のそれぞれでバランスよく、しかしながらがっしりと発達した筋肉。これまで追い切りでは美浦でトップクラスの時計をたたき出しているわけですが、スピード抜群で重馬場も苦にしない走りは超高出力のエンジンを前後に積んでいるから…と考えれば合点がいく発達具合です。

ちなみに半弟のソーダズリング(牡3・父ハーツクライ)も日曜日(22日)京都10Rの三年坂Sを勝利しオープン入りしましたが…こちらも兄をほうふつとさせる立派な馬体をしている分、母系由来なのかなという気もしますので国枝厩舎所属予定となっている半妹・ミラビリスマジックをはじめ今後出てくる兄妹たちがどんな馬体をしているのか非常に楽しみになってきました

神々しいまでの輝きを放つイクイノックス

中長距離でいえば何といっても世界最強馬といわれるイクイノックスでしょう。この馬は神々しいまでの輝きを放ち、前後のバランスやトモのハリ、彫刻のような曲線美など見る者すべてを引きつけます。

イクイノックスはイケメンすぎる(2023年10月、カメラ=前田利宏)

実は私、今年7月にイクイノックスが夏休みを過ごしているノーザンファーム天栄さんで取材をさせていただきましたが、夏休みであってもその馬体は芸術そのもの。木村厩舎、そして取材を受けてくださった木實谷場長をはじめとしたノーザンファーム天栄のみなさんの血のにじむまでの努力がこの馬に結実していると感じました。

特別に坂路を走らせてもらった私(2023年7月、カメラ=國分克彦)

そんなイクイノックスは今週行われる天皇賞・秋(東京芝2000m)で武豊騎手の乗るドウデュース(牡4・友道)とクラシック以来となる3度目の対戦を迎えます。さらには秋の大目標となるジャパンカップ(東京芝2400m)ではドウデュースに加えて今年の牝馬三冠馬の〝お嬢さん〟ことリバティアイランド(牝3・中内田)と激突予定。世界最強としてどんな走りを見せてくれるか非常に楽しみです。

おしらせ3つ

東スポ競馬面をご覧の方はもしかしたらお気づきかもしれませんが9月の中頃から東の1~12Rすべてに予想が掲載されるようになりました!自分のスタンスは前走や追い切りなどの内容に加えて関係者への取材の感触を盛り込んだ総合派の予想スタイル。当たるときも当たらぬ時も読者のみなさんの参考となるような予想を心がけておりますのでぜひ見てみてください。

私の予想にも注目お願いします!

また、11月12日のエリザベス女王杯(京都芝2200m)の日には13:00~15:00に「東スポレースチャンネル」で行われるYoutubeのライブ配信にも出走予定!こちらもぜひ見ていただけますと幸いです!

最後は東スポ競馬web上で連載しているコラム「爆走ジャッカル」について。不定期連載の体で始めましたが、ここ最近は土日ともに推奨馬を掲載しておりますので是非予想の参考にしてください!

 今現在も勉強中の身ですがまたお役に立つような寄稿ができればと思いますので、今後とも応援よろしくお願いします!


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