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人生で初めて、競馬見てきた

入社するまで東スポとは縁遠い世界で生きてきた。中高女子校の一人っ子。部活は華道部。男性と話すのは父と祖父と美容師さんだけ。祖父が野球を見ることがあまり好きではなく、その影響から家族で野球中継を見たこともない。賭け事ももちろんしたことがない。
このnoteには、好奇心旺盛な私が初めて挑戦したことを綴ります。(運動2部・木元理珠)

突然の3連休…そうだ、新潟競馬場へ行こう!

入社から3か月が経ち無事に配属先が決まり、プロレスや一般スポーツを担当することとなりました。配属されて2週間、一人で現場に出向くことが多く、毎現場あたふた、どんな取材をしたら読者の皆様が面白いと思うか日々勉強しております。1回目のnoteを書かせていただいてから、休みの日にはプロレス、野球、競馬と、東スポの代名詞と言っていい現場へ自腹で足しげく通っておりました。今回は少し前にはなりますが、5月7日に初めて競馬をしてみた日のお話をしたいと思います…。

野球の研修中に初めて終面を書かせてもらいました(2022年5月15日付発行本紙)。下は最近私が書いたプロレスの記事です。

私の初終面を飾るため部長にお願いし休みを返上して取材に出向いたゴールデンウイーク。取材を頑張ったご褒美かのように急な3連休を頂いた。急にもらった大事な休みに何しようと東スポをペラペラしていると明日藤田奈々子騎手が新潟競馬場で走るではないか。まだ競馬を生で見たこともなければ、賭け事をしたことないなんて東スポで働く身としてダメだ!G1の日には会社にいる全社員が一旦作業を止め、テレビにかじりつき「おー!」や「あー!」と声を出す、ここは場外馬券場かと思うほど「さすがスポーツ紙」と感じるような会社。その一員としてあるまじき行為だ。そうだ、競馬に行こう。と思い立ち、即新幹線を予約。急な休みに予定が合う友人もいないため、日本酒好きな母を誘うと「いいね!」と二つ返事で新潟遠征決定。わが母のフットワークの軽さに感謝だ。ちなみに母も初競馬。母よ、私が東スポに入ったばかりに賭け事に付き合わせてすまない…。
新幹線で東スポの競馬欄を熟読し、まずはおいしいごはんとお酒で前夜祭。

やけくそTシャツを着てほろ酔いの私

1Rから参戦予定が日本酒飲みすぎて寝坊

初めての競馬挑戦に朝1番のレースから行こうと意気込んで指定席Aを予約したが、新潟の日本酒のおいしさに夜中の2時ごろまで飲み歩いていたため大寝坊。着いたのは6R目が出走する10分前。右も左もわからずとりあえず入口で抽選をやっていたので運試しにJRAのアプリを登録してぽちっとな…。なんとB賞が当たりかっこいいタオルを手に入れ幸先の良いスタートを切った。
その先に進むと出走前の馬がぐるぐるしているパドックがあり、「お馬さんかわいいなぁ」と眺めていると次々と馬も人も消えていったため、人が向かう方についていった。

するとレースが始まり、一斉に走り出す馬。「いけー!」と思わず声が漏れてしまうお客さん。テレビで見ていた光景が目の前にあった。そして遠くにいた馬は気が付くと目の前を光の速さで走り去り歓声と怒る人の声が同時に聞こえた。

初めて競馬場にきました

 馬券の買い方がわからない…でも大丈夫!!

「これは私も参加したい。しかし買い方がわからない…。なんだこのセンター試験のマークシートは?これを塗りつぶして買うのか?」と悩んでいると救いが現れた!「UMAJOコーナー」。全国でも数すくない女性専用のブースでドリンクが1杯無料でもらえるサービスや初めて競馬をする人へレクチャーしてくれる。

UMAJOコーナーの目印になっていたターフィー

これは私のためにあるブースではないかと思い、「あの…。初めて競馬やるんですけど…」と話すと「どんな風に買いたいですか」と言われ初心者の私の頭にははてなマークがたくさん浮かんだ。「まずこのマークシートは何ですか?」と異国地から来て初めて納豆を見た時のような質問をした。そうすると優しいお姉さまがマークシートの説明から「まずは複勝をねらうのがいいですよ。ここを塗りつぶして…」と書き方を教わった。さらに「どうやって勝ちそうな馬を見分けるんですか」と尋ねると「汗をかいていたり、暴れている馬はレースで体力がもたないことが多いです。芝が得意な馬とダートが得意の馬がいて過去の実績を見て買う方もいらっしゃれば、あとは人気や騎手で選ぶ方もいますよ」と教えてくれた。ウマ娘のチュートリアルでちょこっと得た知識が役に立ちそうだ。 

凛とした顔の馬を見て、凛とした女性になろうと思った

買い方も習ったところで8R「4歳以上1勝クラス芝1800メートル(12頭)」ついに勝負だ!パドックを見に行き、言われた通り注目して見てみると「あ、あの馬、汗が滴り落ちている…、あの白い泡が汗かな…、この馬の脚の筋肉かっこいいな…」などなどお馬さん達の調子を考えてみる。そこに凛とした顔をして汗を全くかかずすたすた歩いてきたセブンサミットに母と目を奪われた。4番人気で岩田康誠騎手。おじいちゃんは競馬を知らない私でも名前を知っているディープインパクト。お父さんはモーリス。知識不足の私はモーリスを存じ上げなかったが、調べてみたら2015年から16年にかけてG1で何度も優勝を果たしたすごい馬らしい。やはり凛として真っすぐ前を見て歩いている姿は馬も人間も素敵だなと思い、自分も明日から凛とした女性になろうと誓った。

名前が気になっていて馬券を買うと決めていたハリウッドヒルズ

そしてもう一頭気になった馬はハリウッドヒルズ。前日の新幹線の中で東スポを読んでいる時から名前が気になりこの子は絶対に来ると直感で決めていた。そしてパドックで電光掲示板を見ると1番人気。やっぱりなと直感が確信に変わった。母と入念に相談をしてマークシートを塗り馬券を買おうとすると係の方に止められ、「20才以上ですか?」と年齢確認をされた。年齢層の高い東スポに入社してからオッサン化が止まらず、前日にお酒をがぶ飲みしていた私に年齢確認をするとは…。若く見られてちょっと嬉しいなとにやりとしつつ、どや顔で身分証を掲げた。その後無事に2頭を複勝で買いやっとレースが始まる。

スタートから2番手につけたセブンサミット。ハリウッドヒルズは後ろから5番目。残り1000メートルでもまだ2番手を守っていたセブンサミットだったが、なかなか前の馬を追い越せないでいた。残り300メートルを切ったあたりでうしろから我が推しハリウッドヒルズが追い上げてきた!「いけー!」と心の中で叫んでいたが、横からドラミモンに抜かされてしまう。ハリウッドヒルズに目を奪われている間にセブンサミットが1位で走り抜けていった。まさかの4番人気だった凛としたセブンサミットが1着でゴール!初めて馬券を買って1着を的中させるとはセンスの塊だと思った。

ビギナーズラックでもうれしい8番セブンサミットの1着入選

おいしい麻婆豆腐丼食べながら、母と仲良く競馬予想

喜んでいるとお腹が空いてきたので売店へ行くことに。ここだけの話指定席Aの売店で売られている麻婆豆腐丼が新潟に来てから一番おいしかった。ボリューム満点で女性には量が多いかなと思ったが、あまりのおいしさに気が付いたら完食していた。辛すぎず、甘すぎず程よいヒリヒリ感で絶品。行く予定がある方ぜひぜひ食べてほしい!

とてもおいしかった麻婆豆腐丼

9Rと10Rは美味な麻婆豆腐丼を食べながら、常連の風格漂うお隣の方を観察していた。その方は競馬新聞を片手にテーブルのポケットにたくさんマークシートを入れ新聞とにらめっこ。パドックを見に行くことは1度もなく、お連れの方と今までの傾向などを話しながら馬券を購入し、「今日は全然当たらない」と嘆く声まで聞こえてきた。

ふむふむと思いお昼ご飯を終え、11R「谷川岳ステークス(L)[4歳以上オープン]芝1600メートル(11頭)」から馬券購入再開。まずはパドックまで行き馬の調子を見る。日差しがものすごく強くお馬さんたちも周りのお客さんも汗だく。そんな中、母から「ジナンボーがいいと思う」と言われ見てみると暴れることはなく汗をそこまでかくことなくまたまた凛としている。この子にしようと馬柱を見てみるとまたまたディープインパクトの名前があった。ディープインパクトの血筋の子はみんな凛としているのね。

母イチオシのジナンボーは凛としている

東スポの馬柱には△が3つ付いているだけと期待値は低そうだなと不安に思いながらもジナンボーを複勝で購入すると見事3着でゴール!8番人気だったためこの日一番の払い戻し額であった。そして我々のディープインパクトへの信頼度が増した。レースが終わって東スポを見返すと1着のウインカーネリアンに◎が2つと〇が多くついていた。東スポのレース部の皆様の予想の的中率の高さにすごすぎると驚いた。

寝坊したせいであっという間に最終レース「4歳以上1勝クラス制芝1000メートル直線(16頭)」を迎えてしまった。新潟競馬場は日本で唯一直線1000メートルのレースが見られる競馬場。距離による差はないが、内側は別レースでもたくさんの馬が通過するため、外枠が有利になるとネットで見てこれは走り出す位置まで考えなきゃいけないのかと頭を悩ませた。騎手の皆さんが馬に乗り始め、今日来た目的の一つである藤田菜七子騎手が登場。けがをしてから調子が戻っていないという噂は聞いていたが、顔の小ささとあまりのかわいさに無条件でスラーリドラーゼの馬券を買うことを決意。

横顔も美しい藤田菜七子騎手

最終レースともあり16頭立てとほかのレースより多い頭数でさらに悩まされる。ずっと見ているとミエリと目が合い「私にかけてみて」と言われた気がした。そして東スポの馬柱も〇が1つと△が2つ付いているそこまで期待されていないが、ミエリにかけてみることに。母は「これはナリタローゼだ」とつぶやき3頭分複勝で購入するため売り場に向かう。

最後のレースに思いを込め馬券を買おうとしたところ、さっきとは違うお姉さまに「20才すぎていますか?」とまたも年齢確認。あらそんなに若く見えるかしら?と思いとなんだか申し訳なさまで芽生えてきた。無事に馬券を買い席から見守る。ちなみにスタートの位置が遠すぎて見えない。馬券を握りしめ徒競走のように走ってくる馬たちを応援。好調なスタートをきるナリタローゼ。藤田菜七子騎手の乗るスラーリドラーゼとミエリは後方から追いかける。残り200メートルくらいのところでトミケンルーアがものすごい勢いでかなりの差をつけゴール。3着には母の選んだナリタローゼが入り、競馬が初めてのはずの母だったが2レースとも3着以内を的中させ内に秘めていた才能が露わになった。

3度目の年齢確認で母怒る「そんな小学生みたいな格好してる悪い」

初競馬にしては高い的中率にいい気分で換金しようとしたら2回目に年齢確認されたお姉さまにこの日3度目の「20才未満の方は…」と言われさすがの母も少々お怒り気味。そして「そんな小学生みたいな格好してるから悪いのよ」となぜか私が怒られ新潟競馬場を後にした…。年齢確認を何度もするほどきちんとした競馬場です!

何度も未成年に見られた挙句、母にも怒られました(笑)

新潟競馬場では7月31日に1000メートル直線のGⅢ「アイビスサマーダッシュ」が行われる。他の競馬場では見ることができない真夏の直線ダッシュ。16頭でも迫力満点でしたが、フルゲート18頭の馬が一気に走ってくる姿は圧巻のはず!競馬をやったことがない人もぜひ見てみてください。

 


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