膨張率、賢者タイムの平均って知ってますか?
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膨張率、賢者タイムの平均って知ってますか?

 男性専門外科クリニックで働く現役医師・吉江秀和氏が、性に関する興味深い論文をピックアップする当コーナー。今回は男性にとって興味津々な2つのトピックを紹介します。

膨張率の真実

「普段は小さいけど、いざとなったらデカいはず」「勃ったら結構スゴイと思うんですけど…」という方から、「実際、ペニスってどのぐらい大きくなるのが普通なんですか?」と聞かれることがあります。膨張率ってやつですね。こういうときこそ客観的なデータ、医学論文の出番でしょう。

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 2015年、「BJU International」という医学雑誌に1万5521人の男性を調査した論文が掲載されました。白人中心のデータになりますが、現時点でペニスの大きさに関して、科学的に信頼度が最も高い論文の1つです。

 そこでは、通常時や勃起時の長さ、太さの平均値が研究され、その比率についても計算されています。その結果、「勃起時の長さは通常時の1・43倍」で「勃起時の太さは通常時の1・25倍」が平均であることがわかりました。

 例えば、通常時の長さが8センチの人は、勃起時の長さは11・44センチになるイメージです。少し前にご紹介したTENGA社の調査では日本人の勃起時の平均的な長さは13・56センチでしたから、この膨張率に当てはめると通常時の長さは9・5センチぐらいになりますかね。膨張率に自信あり!なんて方は一度計算してもいいかもしれません。

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 ただ、やはりこのような膨張率も人それぞれ。普段小さめでも勃ったらすごく大きくなる人や、普段が大きいけど勃ったらそこまで膨張しないタイプなど、様々な方がいらっしゃると思います。オーラルセックスが市民権を得ている現代においては、女性の方が、ペニスの膨張率の個人差を実感としてわかっているかもしれませんね。

マルチプルオーガズム

 せっかくなので男性に関するものをもうひとつ。世の中には連続して射精したり、間を空けずに何回もセックスができるなど、いわゆる精力絶倫の男性がいます。そうじゃない人からすると「どうしてそこまで…」と思いますが、どうやらホルモンが関係しているようです。

 2016年、「男性のマルチプルオーガズム~これまでにわかったこと~」という論文(カナダとオーストラリアの研究)が発表されました。1973年から2008年の間に発表された男性についての研究論文(15本)を解析しています。

 一般的には、男性は射精(オーガズム)後に、性欲がなくなり勃起もしなくなる期間があります。これを不応期、最近では〝賢者タイム〟なんて呼びますが、一般的には平均で約20分程度であることがわかりました。

 しかし、20代の10%未満、30歳以降では7%未満ながら、数分間のインターバルを空ければ次のオーガズムが誘発できたり、数秒~2分以内に複数回のオーガズムが連続バーストして押し寄せる男性がいました。

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 なぜそんなことができるのか。15本の論文のうち1本がその生理学的な違いについて研究しています。研究対象となったのは、たったの3分で復活して、連続射精をすることができる男性です。しかも半々の確率で射精後も勃起を維持できるという猛者!

 その結果、絶倫男性と一般男性では、射精後のプロラクチンというホルモンの動きに明らかな違いがありました。詳細を説明すると長くなるので簡単にお話ししますと、一般男性は射精後に血中のプロラクチンが急上昇して性的興奮がなくなりますが、絶倫男性にはその上昇が起こらないのです。このホルモンは母性行動や母乳などに関連があるので、なんとなく理解できますよね。

 対象男性の数が少なく注意が必要な研究結果ですが、人間とは本当に不思議な生き物です。今後、さらなる調査結果が出てくるのを楽しみに待ちましょう。

 吉江秀和(よしえ・ひでかず)医学博士、大手男性専門クリニック本院院長。男性医学の第一人者である熊本悦明氏が立ち上げた「東京テストステロン研究会」に所属し、共に男性医学の啓蒙を行っている。人気サイト「ペニス偏差値チェッカー」も主宰。

【引用】

Veale David, et al. “Am I normal? A systematic review and construction of nomograms for flaccid and erect penis length and circumference in up to 15521 men”. BJU International 2015 ;115 (6): 978–986.

Erik Wibowo, Richard J. Wassersug.”Multiple Orgasms in Men-What We Know So Far” Sex Med Rev 2016;4:136-148

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