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あの大統領2人は酒を飲まない…らしい

【※お酒は20歳になってから!】5月23日に発売された「東スポ驚愕レモンサワー」。酒類業界で低アルコール化が進む中、東スポはあえて逆張りしてアルコール13%になったそうです。発売直前に行われた社内で行われた試飲会イベントでは歌手で女優の酒井法子さんが登場し、「マンモスおいしピー!」と絶賛してくれました。

おいしくて飲みやすいのは良いことなんですが、となるとついつい飲みすぎてやらかしたり二日酔いになったりするのも〝お酒あるある〟ですよね。「飲みすぎなければいい!!」というド正論はわかっています。「酒が人間をダメにするんじゃない。人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ」という立川談志師匠の名言もこの胸に刺さっています。きっとこの言葉だけでお酒が飲めるのんべえもいるかと思います(笑)。

銀座で酒を飲む立川談志師匠(1971年)

さて、「酔い」は、胃や小腸で吸収されたアルコールが血液に溶け込み、脳に到達して麻痺させることによって生じます。私の飲み友達のお医者さんは「明らかに神経細胞の機能が低下するんだけどさ、本能や感情をつかさどる大脳周縁系は活発になるから楽しくなって、『酒は百薬の長』ともいわれるんだヨ」と赤ら顔で教えてくれました。たいてい飲み過ぎると記憶とマネーを喪失しますが、「ほろ酔い」レベルなら何気ない会話も音楽も読書も楽しくなるものです。

ウイスキーが好き

酒と読書の組み合わせを意外に思われるかもしれませんが、世の中にはブックバーというお店が存在します。昔、メガバンクの偉い人(これまた飲み友達!)に連れて行ってもらった西麻布のブックバーは、古いヨーロッパの図書館のようなアンティークな内装で、全体の証明は暗いけど手元を照らすオシャレなライトで、最高の居心地。書棚から気になった本を引っ張り出し、ウイスキーとともに読書という至福のひと時を味わいました。

書店で『政治家の酒癖』(平凡社新書)という本を見つけました。帯には、あの田中角栄。さぞ酒癖も豪快だったのかと思いきや、宴席の達人だったとそうです。自分で飲むときはウイスキー一択(しかもオールドパー)だが、会食では酒を選ばず、自ら客に近づき酒を注いで回り、通商産業大臣時代には一晩で宴席を3つ回ったというから、これはもうお仕事ですね…。

そういえば新宿ゴールデン街でベロベロの有名作家と飲んだ夜もありました

居酒屋だったら店主に出禁を告げられるレベルに酒癖がひどい方々も出てきます(苦笑)。エピソード詳細は本書をご覧いただくとして、酔って刀やピストルを振り回す黒田清隆や夜中2時まで映画を2本連続で見たあとに「これから予定ある?」と聞いてさらに飲みに連れ出すスターリンが激ヤバです。

お酒を飲まない人物として意外な名前もありました。ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領。後者は今から約20年前、国民に「お前ら飲みすぎ!」と叫び、酔って逮捕された人に月給の約30%に当たる8ドルの罰金、アルコール依存症患者は強制的に3か月の監獄型療養所に送られたそうです。2人の大統領には「まぁまぁ一杯」的な外交は通用しないのでしょうね。プーチン大統領に対する筆者の皮肉が痛烈です。

いずれにせよ、彼は教えてくれた。人間は酒を飲まないからといって合理的な判断ができるとは限らないのだ。

栗下直也『政治家の酒癖』(平凡社新書、2023年、190p)

「人の振り見て我が振り直せ」ということわざもありますし、酒癖が気になる人はぜひご一読を。肩の力を抜いて、飲みながら読むのにうってつけです。きっと東スポもそういう新聞です。(東スポnote編集長・森中航)


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