そう、ストレスには読書がいいの
2021年4月25日、4都府県に3回目の緊急事態宣言が発令されました。「またか…」と思っている人も多いでしょう。東京都は今回、酒類を提供する飲食店には休業を、酒類を提供しない飲食店には20時までの時短営業を要請しています。これまでの「まん防」と比べると、お店で酒類の提供が禁止されただけでなく、路上飲酒に対しても都職員や警察が連携して注意喚起するとあって、「禁酒法かよ」などとかなり不満の声が上がっています。
私もお酒が好きなので、その気持ちわかります。仕事が終わったらビールを飲みたいもん! しかし、お店で焼き鳥を片手にビールを流し込む至福のひと時は、(宣言解除予定の)5月11日まではひとまず「我慢する」しかありません…。「我慢する」と考えただけでストレスを感じたので、ある本を机の奥から探しました。
版元の興陽館の編集者Hさんから献本(新刊PRのためにメディアに送ってくれること)してもらった本なんですが、受け取った当時の私はさほどストレスを感じていなかったようで華麗にスルーしてしまいました(Hさん、ごめんなさい!)。ところが、今回のストレスで思い出して、改めて読んでみたら良かったので東スポ読書部で取り上げた次第です。
著者はこの方、精神科医のTomyさん。2019年に始めたツイッターのフォロワーが22万人超という人気の先生です。胸にしみることばかりつぶやいてくれるのでリツイートがめっちゃ多いのもうなずけます。
本を開くと、もうTomy先生の〝アテクシ語り〟によるポジティブオーラが全開で、新宿二丁目を訪れたような気分になります(笑)。
「大丈夫、アナタが悩んでいることなんて、アテクシが宇宙の果てまでぶっ飛ばしてあげるわよ。」(「はじめに」から)
構成としては、人間関係のストレス、職場のストレス、仕事のストレス、病気のストレス、恋愛のストレス、家事のストレス、育児のストレス、家族のストレス、SNSのストレス、コロナのストレスといった具合にあらゆるストレスのぶっ飛ばし方を教えてくれるのですが、その中から私自身に響いた言葉をご紹介しようと思います。
No.56「大切なのは他人の行動に目くじらを立てないこと」
コロナ禍で周りへの視線が厳しくなってしまうのもやむを得ないけど、ただでさえ感染への不安や不自由な生活でストレス多いのに、そのうえ他人のことまで考えていたら、四六時中ストレスを感じて生きることになるもの。
生きる時間をそんなことに費やしたくないわ(151ページ)
No.97「やっぱり読書よね、しんどいときは」
本は裏切らないし、いつでも寄り添ってくれるし。
純文学なんかどうかしら。調子がいいときには、重そう、暗そう、と敬遠しがちだけど、今なら気が滅入る心配はないわ、すでに滅入ってるんだから。
こんなときだからこそ、過去の名作を(231ページ)
いかがだったでしょうか? 忙しいとなかなか純文学をじっくり楽しむ時間なんてありませんが、こんなときだからこそプルーストの超長編『失われた時を求めて』でも読んでみようかと思いました。私はもう4回も1巻で挫折しているんですけどね。(デジタル・事業室 森中航)