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スペインのイカサマ賭博で50万円大勝した崔領二【豪傑列伝#9】

プロレスラー・崔領二は、実は大のギャンブル好きだ。パチンコや競馬を筆頭に数々のギャンブルを経験してきたが、過去に欧州を放浪旅行した際には手痛い目に遭ったという。

【崔の話】僕、ギャンブル好きで、競馬で1日に100万円以上使ったこともあるんですけど、1回海外でとんでもない目に遭ったことがありますね。19歳の頃、スペインのバルセロナをビンボー旅行してたんですけどね、道端でコップとサイコロでゲームしてたんですよ。3つのコップのうち、どれにサイコロが入ってるか当てるギャンブルだったんですけど、それが見てたらサイコロがどこにあるかなんて明らかなんですよ。何回見てても当たるから、よしやってやろうと思って僕が賭けたらなぜか当たらない。横のおばちゃんは札束を抱えてるのに僕だけ当たらないのが悔しいから何回も挑戦したけど、結局10万円以上あった旅の資金を全部使い果たしてしまって…。日本に帰るチケット代も全部使ってしまったんです。あいつらみんなサクラでした(笑い)。

海外で怖い目に遭った崔

よくあるイカサマ賭博だ。しかし、当時怖いもの知らずだった崔はこれにもめげず、イカサマ賭博師たちに反撃に打って出たという。

【崔の話】負けて悔しいけど、金がないからあきらめるしかないじゃないですか。しょうがなくまた観光地巡りしてたら、また同じやつらが別の場所でイカサマしてて、俺と同じ目に遭わされてるやつがいたんですよ。サクラの顔を全部覚えてたんで、今度は僕がサクラが賭けるところにお金をどんどん賭けてったんです。途中、元締めみたいなのがこのゲームなかったことにしようって言うのを断って、5回くらい続けさせたら元を取れるどころか50万円くらいガッポリ儲けちゃったんです。もうどうでもいいんで、元締めに「もうやめろ」って言われてさっさと引き揚げ、またプラプラ観光地巡りし始めたんです。

こういったイカサマ賭博で儲けたという話は聞いたことがない。となれば50万円もの大金を半ば“イカサマ”で手にした崔にも当然、彼らの魔手が忍び寄った。

【崔の話】大金も手に入ったし、気分よくカフェでくつろいでたら何か後ろの窓越しに気配を感じたんですよ。で、振り返ったらさっきまでのサクラが4~5人立ってて「おまえインチキしたろ!? 金返せ!!」ってカフェの中に乗り込んできたんです。ヤバイ、殺されるっていう思いが強かったからパニックになって、キッチンの裏口からムチャクチャ逃げましたよ。結局、捕まることはなく無事に日本に帰って来られたんですけど、スペインでの最後の晩にホテルのオーナーから、サクラを使ったギャンブルは現地のマフィアの伝統だって聞いて身の毛がよだちましたね。実際、イカサマに気づいてマフィアとごたごたになった人で殺された人もいるって聞きましたから。僕もあのとき、とっさの判断で逃げてなかったらと思うと…怖いですね。

とっさの判断が崔の身を助けた(2009年6月、大阪・淀川)

当時の崔は、3年間の英国留学を経験した後で、海外の怖さをすでに知っていた身。それにもかかわらず、怪しい路上賭博に手を出したというのだから、崔のギャンブル好きは根っからのようだ。ともあれ、とかく海外に慣れていない我々は崔の話をいい教訓にしたいものである。 

※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。

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