更年期は「第2の性の目覚め」だ!
生と性にまつわる情報を、医療ライターがプチっとお届け!“男性医学の父”の血を受け継ぐ女性医療ライター・熊本美加氏によるコラムの2回目は、誰もが気になるアノ話題。
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中高年になると、性ホルモンバランスの変動に伴う心身の変化が訪れます。皆さんご存じ、男女の更年期の大きな特徴のひとつ。この頃からなんとなく男性は女性化し、女性は男性化していくように見受けられませんか?
かくいう私は隣のおばさんのようなおじさんより、よっぽどおじさんのようなおばさんになっている自覚があります(苦笑)。これは閉経後の女性ホルモンがガクッと減った私より、加齢で徐々に男性ホルモンが低下している同世代の男性のほうが体内の女性ホルモンの比率が高いからです。逆に更年期後の女性は男性ホルモンの比率が高くなるので気が強くなったり、口の周りのヒゲが濃くなったり、性欲が強くなる人もいます。
男女それぞれの性ホルモンの活発な分泌によって、男はより男らしさを、女はより女らしさを開花させた思春期が「第1の性の目覚め」と考えると、前述したように性ホルモンバランスが互いに歩み寄る更年期は「第2の性の目覚め」。前者の男女は強い引力で引き合いながらも、お互いの性の違いを強く意識し、緊張した関係があります。そこに生まれるのは「激しい愛」。一方、更年期以降は緊張感が薄れ、異性というより人間同士の「深い愛」に変わっていく――。
素敵ですよね。でも、それだけではちょっと寂しい気もします。パート2でも性を謳歌するのが人生100年時代の新しい生き方だと思うのです。