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こらあげんですがコラーゲンについては語りません

 じわじわと、確実に、売れ始めているような気がしないでもないドキュメンタリー芸人・コラアゲンはいごうまん。東スポにおける〝実録連載〟を復刻しています。

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「芸人殺すにゃ刃物はいらぬ、あくび一つもすればいい」なんて都々逸がありますけど、押し殺すようなあくびならまだマシです。僕なんかネタの最中に「はぁーあー」と声を出すあくびで殺されたことありますから。

 僕の「コラアゲン」て名前がゆえに殺されたこともありました。某飲料メーカーのイベントスペースでコラアゲントークライブをやらせてもらった時です。

 みなさん笑ってる中、全く笑ってない男性が1人。見る度にその表情は険しくなり、ついに途中でお帰りになられました。聞けば、帰り際、スタッフにこう怒鳴ったそうです。

「アイツはいつコラーゲンについて語るんだ!」

 美容と健康イベントやと思ってたようで…。ちなみにその日の僕の演目は「ヤクザに学ぶ経営学」。そら怒るわ。

 半年後、同じ会場で再びライブ。えらいもんで前回殺されたことが今回のツカミに変わります。「~てなわけで今日は美容と健康イベントと違いますからね」。あくび一つで殺せるのが芸人ならそれをネタに生き返るのも芸人。客席は爆笑に包まれたんですが、ふと見ると、前回とは別人の新たなる険しい顔の男性がいらっしゃったんです。

 打ち上げでその人のアンケートを見たら、もはや殺されるどころか惨殺でした。当日はスタッフさんが知り合い関係に呼びかけてくれたおかげで50人のお客さんが来てくださったんですが「本日の感想」の欄には「サクラの多さに驚いた」…そうやとしても言わんといてください(泣)。

 その下の質問は「本日の演者は良かったですか? 悪かったですか?」。こうなったらいっそ「悪かった」の方が気持ちいいのに「どちらでもない」…どちらかにしてください。好きでも嫌いでもないなんて最悪です。

 さらにその下の「◯◯(主催の某飲料メーカー)のスタッフ対応はどうでしたか?」の欄には「大変良かった」。にもかかわらず「今回のイベントで◯◯の企業イメージはどうなりましたか?」のとこを見たら「下がった」…って、どんだけ僕の悪い影響あるねん!

 揚げ句「今後◯◯に期待するイベントは?」の欄にはこう書かれてました。「美容と健康イベント」――。

 コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。お笑いライブに加えて企業、医療、学校等で講演活動中。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。


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