焼肉をおいしく食べるために我慢の利く男にならねば…
暑い夏こそ焼肉でスタミナをつけたいですよね!本日ご紹介するのは扶桑社から刊行された『教養としての焼肉大全』という分厚い一冊です。思わず塊肉なんじゃないかと思うほどのボリュームですが、焼肉の奥深さを考えさせれました。
「大全」と名乗っているだけあってとても壮大な構成です。目次をのぞいてみましょう。
まずは火力の重要性を心得るべし
私はハラミが大好きなので、手っ取り早くハラミの上手な焼き方を知りたくなったのですが、著者の松浦達也さんはかなり手厳しいことをおっしゃいます。
現在では家庭用ホットプレートが1200~1400ワットくらいの製品が主流ですが、70年代後半ごろだと1050ワットしかなく、そもそも肉を焼くには火力不足だったそうです。
なぜ火力が大切なのでしょうか? 210℃~250℃あたりの温度だと肉にメイラード反応が起きやすくなるからだと松浦さんは言います。焼肉のみならずトーストやせんべいの焼き色、コーヒーの色なんかも食材に含まれるアミノ酸やたんぱく質が加熱によって糖と結びついた化学反応で、このメイラード反応が起こると褐色物質のメラノイジンや香味成分が生成されるそうです。あの香ばしい匂いが食欲を爆発させるんですよね、わかります!
火力が重要なのですから、焼き始めるまで5分待つこと、肉は火力の強いところに置くこと、肉は置いてあった場所ではなくその隣にちょうつがいのようにひっくり返すことがまず覚えるべき3点だそうです。
肉の特徴のプラスを伸ばし、マイナスをカバーする焼き方を心得よ
不動の一番打者「タン」はUSか和牛なのか、薄切りなのか厚切りなのかで焼きを変えるのが通だそうです。素人にとって難しいのが厚切りのお肉なんですよね。どうしたらいいんでしょう?
肉汁を閉じ込めるために「お肉を休ませる」というのはステーキだけじゃなかったんですね。私はこれまで焼き目がついた瞬間に今だっと頬張っていましたが、食べるタイミングが早すぎたとは…。
私の中では最高の部位「ハラミ」はどう焼くのが正解なのでしょうか?
そんなに待たないといけなかったなんて…(苦笑)。40年近く生きてきたのに焼肉を理解していなかった自分が恥ずかしい。これからもうちょっと我慢の利く男にならねばなりません。(東スポnote編集長・森中航)