金メダル級の懐かしさ!ドーナツ盤で振り返る五輪5大会(1972~1988年)
懐かしい名曲とともにあのころを思い出してみては? 紆余曲折あったものの、いよいよ始まった東京五輪。イマイチ盛り上がれない人も〝音楽〟と一緒だったら盛り上がれるかもしれません。「昭和レコード超画文報1000枚」(303BOOKS)の著書で放送作家のチャッピー加藤氏に、昭和の五輪イヤーを彩ったレコードを厳選してもらいました。1枚目がその年のヒット曲。2枚目は加藤氏の注目曲です。
【1972年】ミュンヘン五輪
山本リンダ「どうにもとまらない」(詞・阿久悠、曲・都倉俊一)
このタイトル、コロナウイルスの感染拡大のことではありません(笑い)。リンダさんのへそ出し衣装をテレビで見たときには「悪霊にでも取りつかれたのでは」というくらい衝撃でしたね。阿久悠さんと都倉さんの〝リンダ再生事業〟が見事成功して爆発的ヒットとなりました。
天地真理「ひとりじゃないの」(詞・小谷夏、曲・森田公一)
コロナ禍で聴いたら心にしみた曲。作詞は「時間ですよ」演出の久世光彦さんのペンネーム。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」でマリが歌うシーンがあったので若い人も知ってるかもしれません。
【1976年】モントリオール五輪
殿さまキングス「恋は紅いバラ」(詞・千家和也、曲・佐瀬寿一)
「殿様+王様」、金メダルの中の金メダルみたいなネーミングがたまりません(笑い)。曲は日本人が大好きなマンボ。同年の紅白では白組一同が黒いスーツを着てマンボを踊り、「♪恋は白いバラ~」と歌って白組勝利を願いました。
伊東四朗・小松政夫ほか「デンセンマンの電線音頭」(詞・田村隆、曲不詳)
今考えても異常な盛り上がりで全国の小学生がコタツの上に乗って踊っていました。私は「電線音頭」を、東京五輪の種目にすべきだったと思うんですよね。日本人の金が確実ですから。
【1980年】モスクワ五輪
沢田研二「TOKIO」(詞・糸井重里、曲・加瀬邦彦)
斬新なジャケットで、作詞にはコピーライターの糸井重里。しかも発売日が1月1日で、誰よりも早く80年代の扉をあけたのがジュリーでした。テレビに電飾ギラギラのパラシュートを背負って出てきたのはすごかったですね。
シャネルズ「ランナウェイ」(詞・湯川れい子、曲・井上忠夫)
顔を黒く塗る演出は今となっては許されないですが、鈴木雅之の黒人音楽への愛は本物で「名誉黒人です」と語ったほど。カセットデッキのCMソングで和製ドゥーワップの傑作。音楽は国境を超えるんです!
【1984年】ロサンゼルス五輪
北島三郎「まつり」(詞・なかにし礼、曲・原譲二)
開催直前になって音楽問題で揺れましたが、やっぱり閉会式はこれで締めて紙吹雪が舞う演出がいいのでは? サブちゃんが作曲したことも有名な話です。東スポの連載でも触れましたよね!
風見慎吾「涙のtake a chance」(詞・荒木とよひさ、曲・福島邦子)
日本で初めてブレイクダンスを取り入れた歴史的な一曲。日本のダンサーはみんなこの影響を受けているといっても過言ではありません。ダンスしながら実際に歌った風見慎吾はまさに金メダル級ですよ。
【1988年】ソウル五輪
光GENJI「パラダイス銀河」(詞曲・飛鳥涼)
昭和の最後に生まれた光GENJI最大のヒット曲で、作詞作曲はあの飛鳥涼。歌詞に「銀河」は出てこないものの、「しゃかりきコロンブス」という〝欲得まみれの大人〟には見えない楽園の美しさを称えています。
爆風スランプ「Runner」(詞・サンプラザ中野、曲・Newファンキー末吉)
締めは「マラソン」で。バンドの要だったベーシストの江川ほーじんが芸能人的活動に反発して脱退。サンプラザ中野は心の中で泣きながら「ふり返らずこの部屋を出て行くのか」と歌っていたそうです。CBSソニーが誇る爆風スランプ、聖飢魔Ⅱ、米米CLUBからなる三大変態バンドがすべてヒットしたことは奇跡かもしれません。
【まとめ】
東西冷戦下で行われた80年のモスクワ五輪は日本を含む西側諸国が参加をボイコット。逆に84年のロサンゼルス五輪では東側諸国が不参加。東西両陣営がそろったソウル五輪があった88年当時、私は大学生だったのでカール・ルイスやベン・ジョンソン(ドーピングで失格)を毎日見ていましたし、鈴木大地のバサロに大興奮してました。実は88年はCDとレコードの端境期でもあり、89年からCDにスパッと切り替わった記憶があります。
放送作家になった96年ぐらいからレコードを買い始め、気づけばドーナツ盤所蔵数が5000枚に増えました。2万円の服は買わないけど2万円のレコードを買ってきた人生。単純に流行していた曲を集めてきただけなのですが、当時好きじゃなくて愛おしく感じられる。歌謡曲とレコードは永久に不滅です!(チャッピー加藤)
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■参加料 1,500円(税別) サイン本付きチケットあり
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