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暇を持て余した王様がカワセミに大興奮【JAPANバード王国#1】

暇を持て余した王様が、鳥に詳しい執事とともに意外と知らない鳥の生態を観察します。第1回は知っているようで知らないカワセミです。果たしてどんな観察ができたのかな!?


鳥のように世界中を自由に飛び回れたら…

王様 あ~、つまらん、本当につまらん。鳥のように世界中を自由に飛び回ってみたいぞ!

執事 王様、人が鳥になることはできませんが、バードウオッチングをして鳥の気持ちを少しでも理解してみるのはいかがでしょう? 自然の中で五感を研ぎ澄まして鳥の存在を感じ、見つけて観察する。なかなかオツな遊びでございます。

王様 都会のど真ん中に鳥なぞおるのか? どんな鳥がおるんじゃ!? ワシはきれいな鳥が見たいぞ~!

執事 それでしたら翡翠ひすい色の鳥をご覧に入れましょう。「翡翠」は「カワセミ」とも読み、その名の鳥でございます。主に小魚などを狙い、木の枝などから水中に飛び込んで捕まえて食べる鳥で、都市公園でも姿を観察できるかもしれません。

【今回のターゲット:ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属カワセミ】全長17センチ。世界に広く分布する。国内では主に留鳥りゅうちょう(り=一年中ほぼ一定の地域にすむ鳥)で、一部の寒冷地域では夏鳥。平地や低山の河川、湖沼などに生息して警戒心が強い。都市公園の池にも生息しており、こちらは山野の個体ほど警戒心は強くないことが多い。体色は雌雄同色で上面が翡翠色をしており、「空飛ぶ宝石」の異名を取る。特に背から腰にかけての中央部は明るく目を引く。下面はオレンジ色。雄(オス)は上嘴じょうし下嘴かしともに黒っぽいが、雌(メス)は下嘴が赤みを帯びるので雌雄判別できる。主食は魚類だが、ザリガニやカエルなども食べる。

参考文献:「決定版 日本の野鳥650」(平凡社、2014)、「世界のカワセミハンドブック」(文一総合出版、2015)

意外すぎる!?カワセミの鳴き声

執事 王様、到着しましたよ。こちらの都市公園の池に、カワセミは生息しているようです。

王様 どうやって探すのじゃ?

執事 双眼鏡を使って、いそうな場所を探すのです。カワセミは池の際の水面からさほど高くない位置にある木の枝や杭の上にいることが多いです。まずは双眼鏡でじっくり探しましょう。

王様 双眼鏡…初めて使うが、何だか目がぐるぐる回って気持ち悪いぞ…。

執事 慣れるまでの辛抱でございます。双眼鏡を使わないと、観察距離が近くなりすぎて、人を恐れたカワセミが逃げてしまいます。

(謎の音「キィーキッキッキッキィー」)

王様 さすがに都市公園、自転車も多くてブレーキ音がすごいな。

執事 王様、今のはカワセミの鳴き声でございます。自転車のブレーキ音に似てますが、飛んでいる時によく鳴く声です。ほら、王様、あそこの木の枝にカワセミが止まってますよ!

水面に飛び込むカワセミ

王様 あっ、本当じゃ! きれいな鳥じゃな。おっ、水面に飛び込んで小魚を捕ったぞ! ん? すぐ食べずに木に小魚を打ちつけているのはなぜじゃ!?

執事 小魚を木の枝などに打ちつけて、動きを止めているのです。動きが止まったらヒレなどが引っかからないよう頭から丸のみにします。

魚を捕獲したカワセミ

王様 なるほど。普段、気にしていない鳥たちも、よく見てみると面白いものじゃな。よし決めた! これから時々、バードウオッチングをすることとしよう。執事、今後も楽しませてくれよ!


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