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元日には毎年挨拶!師匠・オール巨人のすごさ

 じわじわと、確実に、売れ始めているような気がしないでもないドキュメンタリー芸人・コラアゲンはいごうまん。東スポにおける〝実録連載〟を復刻しています。


 元旦に30年以上続けてるルーティンがありますねん。それは我が師、オール巨人への挨拶。

 毎年、その度に思うんは「師匠、丸なったな~」。僕が弟子入りしたころは遅刻したら坊主、忘れ物しても坊主、報連相怠っても坊主。遅刻して坊主になった翌日に忘れ物したら坊主がプールされました。自慢やないですが、2年の弟子修行期間に坊主になること17回。もはや罰やなく、普通のヘアカットのペース…。

 中でも、特に礼儀作法には厳しかったです。「瓶ビールを注ぐ時はラベルを上に向けろ」「気をつけの時は両足の踵と踵をつけろ」。弟子仲間と笑っていようもんなら「白い歯を見せるな」。このことを話すと、知人の自衛官が「巨人師匠はアメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレーより厳しい」と言ってました。

 そんな師匠が僕みたいなアホと過ごした日々はストレスの連続やったと思います。師匠が車を運転する助手席で師匠の肩借りて寝たり、師匠に「ソース持ってこい」言われてるのに醤油持ってきたり、揚げ句「これ醤油やないか!」と怒鳴られたらパニクッて咄嗟に「さっきまでソースでした」と答えたり…。それでもその度、許してくれました。

尊敬する師匠と

 忘れられへんのは23年前、ボクが所属するワハハ本舗の先輩梅垣義明さんに「俺、昔から巨人師匠のファンなんだ。来週、大阪で梅ちゃんライブやるんだけど見に来てもらえないかな」と頼まれ、おうかがいをたてた時のこと。師匠が問うたのはただ一点。

「俺が行くとお前は得するか?」

「正直助かります」

「わかった」

 梅垣さんのマネジャーさんに聞くと、当日師匠は菓子折り持って見に来てくれて、終演後はロビーで梅垣さんと一緒にグッズ販売までしてくれたそうです。

 一年の計は元旦にあり。元旦に師匠に会わんと一年が始まらへん。家に行くと必ずお雑煮とおせちを出してくれます。ある年は空気読まん僕が一人で棒ダラ全部食べてしまいました。すると師匠が一言、「棒ダラちょっとは残せよ」。師匠、丸なったな~。

 コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。お笑いライブに加えて企業、医療、学校等で講演活動中。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。


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