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A型が多い中、O型のボクとB型の川相は一言多い選手だったと思う【駒田徳広 連載#12】
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A型が多い中、O型のボクとB型の川相は一言多い選手だったと思う【駒田徳広 連載#12】

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コーチや先輩にも言うべきことは言わないと野球人生に悔いを残す

 自分で言うのもなんだけれど、ボクのようなタイプの選手も、あのころの巨人を支えていたんじゃないかと思っている。

 納得できないことにはいろいろと文句も言ったし、それが原因となって数々のトラブルも起こした。でも「これはおかしい」と思うことをハッキリ口に出して言える人間は、今の巨人にも必要なんじゃないだろうか。

新入団発表記者会見での駒田の姿を見て、笑みを浮かべる父勝美さんと母治子さん(80年12月、球団事務所)

 コーチや先輩たちからは「おいコマ、人の言うことは素直に聞くもんだ。そんなに素直じゃないんじゃあ、この世界では成功できないぞ」とよく言われた。後輩たちからも「駒田さんはひねくれているからなあ」。だけど自分では「オレほど素直な人間もいない。素直だったからこそレギュラーになれたんだ」と思っている。ボクは小さいころから父親に「人の話はしっかりと聞きなさい。納得できなかったら自分の意見をハッキリと言いなさい」と言い聞かせられて育った。そしてその教えを守っていただけにすぎなかった。

 人の話を真剣に聞いているからこそ、納得できないことには「おかしい」と素直に言うことができる。ボクに言わせれば「ハイハイ」と聞くだけで右の耳から左の耳への方がどうかと思うし、コーチの言うことをそのままうのみにしても、その選手に当てはまらない場合だってある。そこで選手の方から「ボクはこう思う」ということをキチンと言っていかないと、迷った揚げ句に芽が出ないで、悔いを残したまま野球人生が終わってしまうことになる。

犠打世界タイ記録達成の川相(03年8月、東京ドーム)

 最近になってOBの方から「駒田と川相が抜けてから、巨人はおとなしくなった」と言われた時は「そんなもんかなあ」と思ったものだ。ただ、確かにボクと川相はコーチの人たちにとっては、一言多い選手だったと思う。

 別に血液型を信じているワケじゃないけれど、当時の巨人には中畑さん、原さん、篠塚さん、岡崎さんなど、A型の選手が多かった。だから余計にO型のボクやB型の川相が、異質に見えたのかもしれない。

左から篠塚利夫、中畑清、河埜和正、原辰徳(82年8月、グアム)

 その一方では、試合で結果が出ないイライラから、ロッカールームで大暴れをしたこともある。灰皿もガンガン蹴っ飛ばしたし、ロッカールームのドアを何枚も壊した。チームにとっては問題児だったのかもしれないけれど“家族”の中にはそんな元気のある子が1人、2人ぐらいいてもいいだろう。

 そんなボクのむちゃくちゃな部分が、いい意味で結果につながってくれたのが、1989年の近鉄との日本シリーズ。3連敗から4連勝という奇跡の日本一だった。 

89年リーグ優勝を決めた藤田監督を胴上げ、2位広島に9ゲーム差をつける独走Vだった

リーグVは優勝としてカウントされない…それが巨人の価値観だ

 1989年、リーグ制覇を果たしたボクたちは日本シリーズに向けての直前合宿へと突入した。藤田監督以下のコーチ、選手が東名川崎のビジネスホテルに宿泊し、ジャイアンツ球場で最終調整を図るのだ。

 もちろん、巨人が目指すのはリーグ優勝ではなく日本一だから、浮かれている暇などない。せっかくみんなで頑張ってリーグ優勝できたのに、それが台なしになってはたまらない。ボク自身、これまで出場した日本シリーズでは2度とも敗れただけに「今年こそは」の思いは強かった。

「常勝・巨人」は勝って当たり前。日本一にならないと認めてもらえなかった。それにもかかわらず、当時の巨人は81年を最後に8年もの間、日本一から遠ざかっていた。

 今の巨人の選手も同様だとは思うけれど、当時のボクたち選手にも「長い歴史に傷をつけてはならない」「自分たちのせいで巨人が弱くなったと言われたくない」という思いがいつもつきまとっていた。そして、そんな伝統を選手たちに強烈に植えつけてくれたのは読売新聞社のトップ・務台名誉会長だった。

読売新聞社・務台光雄名誉会長。読売の最高権力者として当時の巨人に強い影響を与えていた

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