水曜日と木曜日がとにかく忙しい
みなさんは競馬記者の日常についてどんなイメージをお持ちでしょうか?今回は私、権藤時大が競馬記者のトレーニングセンター(以下トレセン)での生活スケジュールについてお伝えしたいと思います!
1週間のおおまかな流れ
競馬ファンの方はご存じだと思いますが、JRAの競馬は原則として土曜日と日曜日に開催され、月曜日がトレセンのお休み(全休日)となります。月曜日のぞく週6日調教が行われています。中でもレースに向けて追い切りが行われる水曜、木曜が競馬記者の書き入れ時となります。
そもそも「競馬記者は普段、どこに住んでいるの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。僕の場合は多摩地区にある実家に住みながら、毎週、火曜と水曜に美浦トレセン近くにある筑波寮(トレセンで取材する競馬記者用の寮)に宿泊します。なぜならトレセンの朝は早いから。夏は午前5時~9時半、春・秋は午前6時~10時半、そして冬の現在は午前7時~11時半に調教を行っていますが、その時間に間に合うためには前乗りしておく必要があるのです。
それでは具体的に水曜日と木曜日の取材の流れを見ていきましょう。
水曜日(7時調教開始の場合)
5:00 起床。大体、調教開始時間の2時間前には起床するイメージですね。その後はシャワーを浴び、歯磨きをして…など身支度を整えるのは東京での生活と変わりません。
6:00 筑波寮を出発して、自転車で美浦トレセンへ(だいたい7分ほど)
6:20 ひとつ目の厩舎の囲み取材へ。
6:30 追い切りをチェックするため南スタンド3階の記者席へ。7時ごろから厩舎関係者の囲み取材と追い切り速報記事の執筆のためにスタンド下と記者席の階段を何度も往復します。
9:00 この締め切り時間までに追い切り原稿を会社に送る。その後は5厩舎ほど回って、厩舎コメントを仕入れる
12:00 昼食(基本はコンビニ飯かインスタント食品)
13:00 再び厩舎取材。その後は出走馬コメントの執筆
18:00 書き終えた原稿を会社に送信して業務終了!お疲れさまでした
18:30 だいたい筑波寮の食堂で夕食。たまに厩舎関係者の方とごはんに行くこともあります
23:00 明日に備えて就寝。おやすみなさい
僕は現在、9厩舎(嘉藤、久保田、小西、鈴木慎、田村、手塚、天間、深山、和田勇)を担当しています。担当厩舎を持って日々取材するというのは他のスポーツ紙にはない取り組みで、東スポの競馬記者の醍醐味でもあります。
木曜日(7時調教開始の場合)
5:00 起床。今日も気合を入れてトレセンへGO
6:30 出走予定馬を確認しつつ、南スタンドへ。水曜日に回り切れなかった厩舎に話を聞きに行きます。ジョッキーの囲み取材が多いのもこの日の特徴。
10:00 気になる馬の厩舎へ出向き、担当の助手さんを取材。この日に帰る場合は昼前に寮の部屋を引き払ってトレセン内にある広報会館でコメント打ち込みなどの作業
14:00 出馬投票所で取材。出走するための最終的な申し込みは通常、木曜日の15時(GⅠ競走は14時)に締め切られます。ここで耳寄りな情報を助手さんからゲットできることも
15:30 記者席に戻って馬券コラムなどの原稿を執筆。そのあとは紙面用に予想を行います。
19:00 トレセンから撤収。お疲れさまでした。
月曜に美浦入りして火曜から取材したり、金曜まで美浦に残るパターンもありますが、火曜と金曜は調教時間の間にゆったりと取材をしていく感じ。水木ほど忙しくはありません。
大好きな競馬に密着できて楽しい!
いかがでしたか? 競馬記者になってまだ1年足らず、きついこともありますが、やはり大好きな競馬に一日中密着できるのは楽しいですし、なかなかできない経験だと思います。今後もみなさんに有益な情報をお届けできるよう奮闘してまいります。最後に2つほど宣伝をさせてください。
まずは東スポ競馬Webで土曜日にお届けしている予想コラム「爆走ジャッカル」です。「情報に勝る根拠はなし」をモットーに、とにかく担当厩舎の馬を中心に突撃取材で得た情報を軸に予想を披露しています。
もうひとつは、最近連載が始まった原優介騎手のコラム「日日是優日」です。同い年の騎手とは昨年のチャンピオンズC(原騎手はウィルソンテソーロで2着)をきっかけに交流が深まりました。理論派である同騎手が騎乗馬のイメージなどを赤裸々に語ってくれているので、穴党の方は必見です。無料コンテンツなのでぜひ一度ご覧ください。(レース部・権藤時大)