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いろんなキャラクターがポーカー界に生まれてほしい!

 世界で活躍する登録者数世界No.1ポーカー系YouTuber「世界のヨコサワ」ことプロポーカープレイヤー・横澤真人氏(29)のロングインタビュー! 「日本にポーカーをもっと普及させたい!」と意気込む同氏のポーカーに賭ける熱い思いとは。(文化部・田才亮)

世界のヨコサワがおおいに語った!(カメラ=内田忠宏)

不意にやってみたら天職だった

――横澤さんとポーカーとの出会いは

横澤真人氏(以下横澤) ポーカーに出会ったのが20歳の時で。この時はいわゆるポーカースポットとかじゃなくて、友達と1番最初にやったのが初めだったんですよね。4人ぐらいの友達と「ポーカーってゲームがどうやらあるらしい」っていうことで。「テキサスホールデムっていうルールがあるらしいぞ」ってことで、不意にやってみようぜっていうところから、実はスタートしたんです。

――意外でした

横澤 僕以外で一応ルール知ってる友達がいたんですけど、みんな結構ルールが曖昧でネットとかで調べながら。「プリフロップ」という概念とかも分かってなくって(苦笑)。レイズするとかコールをするとか。どの手が強いかみたいなことも分かってませんでしたね。

――横澤さんにもそんな時代があったんですね

横澤 でもその時に3人との間にギャップがあるのを感じたんですよ。ゲームに対する理解の速さによるものなのか。そのギャップが僕からすると「このゲーム向いてるんじゃないかな」と思うきっかけになったんです。僕にルールを教えてくれた友人より、僕の方が「このゲームの本質を分かってるな」という自信というか。それが本当だったのか、当時の思い込みだったのかわからないんですけどそこからポーカーにハマっていきました。そこから大会に行って、僕の仮説が正しいかどうかを確かめていきました。

――当時のポーカー理論の「常識」は正しかったですか

横澤 いま振り返って見てみたら間違ってるよねということもありますね。例えばですか? 難しいですが「スチール」「リスチール」という言葉はいまよりも昔の方が重要視されていたと思います。いまではプレイしたいハンドでプレイすることが目的で、それでプレイした結果、スチールの成否があるんですが昔はスチールを重要視、それが結果でなく目的になってたという感じでしょうか。それは日本だけじゃなくて世界的にそういうイメージだった気がしています。いまのポーカーは昔に比べて、かなり正しい理論が浸透していますね。

――逆に戦いやすかったのでは?

横澤 そうですね。でも、「本当に自分は合ってるんだろうか」とか〝同調圧力〟に負けない力が当時は問われていた気はしてます。当時は「客観性」がすごく重要でそれを感情を入れずにプレイできるかというのが重要でした。今は割と正しい理論が多いのでより、インプット力の方が重要だと思います。

ポーカーの魅力について語ると話が止まらない

海外生活はストレスないけど、「やっぱりご飯は日本!」

――プロプレイヤーとして海外で生活して苦労した経験はありますか?

横澤 いや、僕、海外生活に対するストレスがほぼないですね。なんなら、アメリカの方がやや過ごしやすいかもぐらいな感じですかね。やっぱり日本のご飯が美味しすぎるみたいなとこあるんですけど。

――文化的な側面で言うと

横澤 僕は日本よりアメリカの方がフィットしてるんで過ごしやすいというか。風通しがいいというか。良くも悪くも、彼らって好戦的で。少しでもムカつくことがあったら、直接言いますしね。あとは、例えばエレベーターに乗る時、乗り合わせた人と、当たり前のように、日常会話が始まる。「そのTシャツめっちゃいいじゃん!」とか。あの感じがすごい好きなんですよ。フレンドリーにコミュニケーションすることが僕としてはすごいフィットしてます。

――日本に帰りたいと思う事は

横澤 マジでご飯! もはや日本に帰りたいというモチベーションの9割はご飯です(笑)。

ポーズを決める世界のヨコサワ

ユーチューバーとして目指しているもの

――ラスベガスで楽しそうにしている動画を観ると、こちらもスカッとします

横澤 良かったです! でも、チャンネルがみんなに見ていただけてる理由って、1つはそれもあるんじゃないかなって気がしますね。

――海外で生活をするための、プロポーカープレイヤーとしての努力もすごいです

横澤 マインドシェアがポーカーに割れてる間は、他のことできないですね。日本にいる間はむしろポーカーの事は考えません。スイッチ入れちゃうともう無理ですね。他のことあんまりできないですね。

――そんな中でのユーチューブ活動ですが、記憶に残る回はありますか?

横澤 いや、なんだろう、難しいな…。

――個人的には3人(横澤、ひろき、そうた)でわちゃわちゃやってる動画も楽しいです

横澤 あ、僕も見て欲しい動画はそっちよりかな。そういうライフスタイルよりの動画の方が見てほしいって思ってるかも。僕が大会で優勝した動画とかも、もちろん見てほしいなとは思うんですけど。日常要素の強い動画の方が結構見てほしいって思いも強いかな。アメリカを横断する動画とか、シリーズでやったんですけど、そっちのほうが僕はやりたいことに近いのかな。

――今後は旅ものも増えそう

横澤 でも、難しいんですよね。ポーカープレイヤーとしても、活躍しなきゃいけないってことと、ユーチューブでも面白い動画作んなくちゃいけないってことが結構、二律背反というか。ポーカープレイヤーとして活躍したいんだったら、やっぱりキャッシュゲームガチガチ打って、お金稼いで高いトーナメントに出るということをやらなきゃいけないですけど…これだとラスベガスにずっといることになるんです。アメリカはポーカー人口も1番多い。プロとして稼ぐならアメリカ一択になるんですね。それだとヨーロッパとかにはなかなか行けないです。

――もし行けるなら行きたい国は

横澤 それこそ東南アジアはまだ行ってないので貧乏旅行もいいなと思いますし、アフリカも実はポーカーめっちゃ流行ってるって聞くので行ってみたいなと思います。

――一方、プロポーカープレイヤーとして結果を残したいという気持ちは

横澤 結構今はそっちの方に傾いてますね。僕がポーカープレイヤーとして結果を残すってことは、すごくやっぱり重要なことだなと思ってるんで。日本を代表するポーカープレイヤーになるっていうことは、結構重要度高いのかなっていう風には思ってます。

――海外での「ヨコサワ」の反応は

横澤 海外の方からも見ていただけてる人すごい増えたなって思ってます。なんか、その声をかけてもらえることもすごい増えました。僕らの目指しているところでもあるんですけど、やっぱり海外に対する露出は増やしていきたいなって思ってます。この前「ハスラーカジノでのライブ配信」とかに出演させてもらったんすけど、あれの反響もすごいあって見たよって言われるんですよね。だから、やっぱああいうのにこうレギュラーで出てると世界的な認知が高まるんで、それもやりたいことの1つとしてあるんですね。今後は「勝負師」としての面を重視したいとも思ってます。

ポーカーをショービジネスに昇華させたくて…「世界のヨコサワに勝ったら1000万円」

――8月11日から始まる「世界のヨコサワに勝ったら1000万円」について教えてください

横澤 もう何年も前から「大会やりたい」ってのはずっと思ってて。今回はチャンネルの企画としてやることで、僕たちも大会運営の経験値が積めるし、参加する方も貴重な体験ができるということになると思います。

――大会を開催しようと思ったきっかけは

横澤 僕、中学生のころからeスポーツ好きでいまは凄い発展してますけど、そのころは正直、ショービジネスとしてうまくいくと思ってなかったんですよ。僕はちょっと冷めた目で見てた。なぜなら、やってるのは楽しいけど、見ても面白いものじゃないと思ってたんです。それって僕の中でポーカーとまったく一緒なんです。でもeスポーツは結果的にうまくいっていて。それで「ポーカーもしかしたらそうなるのかも」っていう、ちょっと淡い期待みたいなのもあって。ポーカーやらないけど、観るのは好きという人が増えれば、大会とかをやるのもどんどん入りやすくなるのかなと。

――将棋では「観る将」という言葉もあります

横澤 ポーカーで言えば「観るポ」が増えるかもしれない。これって世界的に見ても一種の挑戦なんです。海外ではプレイヤーが99.9%で「観るけどやらない」という人はほとんどいないと思います。エンタメとしてポーカーをショービジネスに昇華させなくてはいけないという気持ちがあって、その上で「大会」というのはすごい欠かせないと思ってます。「WSOP」(ポーカーの世界大会)のファイナルテーブルとか、そのメインイベントの配信ってみんな観るんです。やっぱりそこには「ドラマ」があるからだと思ってます。

――ドラマとは

横澤 やっぱり「人生が変わる」というところですね。大会優勝賞金10億円もらったら、人生変わるじゃないですか。で、WSOPって9位でも1億円もらえるんで、1億円もらったら、その人も人生変わる。例えば大会に出るプレイヤーって、学校の先生がいたり、お医者さんがいたり、弁護士がいたり、トラックの運転手さんがいたり、そういういろんな職業の人がいる中で、その人生が変わる瞬間というのをを目撃できるのってすごく面白いと思うんですよね。

――人間にスポットライトがあたる

横澤 観るポーカーを面白いと思うためには、その人の背景やストーリー、キャラクターを理解したほうが面白いと思います。そうするために、やっぱり日本にはまだキャラクターが少なすぎると思うんですよ。

――例えばダークヒーローみたいなプレイヤーもいてもいい

横澤 そういういろんなキャラクターがポーカー界に生まれてきてほしいなって意味も含めて。やっぱり大会って、やっぱヒーローが生まれたりするんですよね。それがきっかけで超有名になる人とかいたりするんで。今回の大会で僕とヘッズアップして、もし僕に勝った人がいたとしたら、その人がポーカー界隈で一躍有名人になる可能性って全然あると思うんですよ。そういうスターを作れるっていう意味でも、やっぱ大会って、やっぱりすごいいいものだなって思ってはいます。

――ヒーローという意味では格闘技の世界で「那須川天心 vs 武尊」が注目をを集めました。

横澤 格闘技ってまさにそうですよね。視聴者は未経験者の方が多いと思うんで。あの戦いがショービジネスとして、あそこまで大きい興行になったというのはそこにストーリーがあったからだと思います。大会についても批判的な声があるんです。でも、それだからこそ僕は「本音」で話すことが必要なんだろうなと思ってます。僕らがここまで考えてやってるんだと知ってる人は多分、相当少ないと思うんです。言わなければ分からないことというのはいっぱいあるので、こうやって話して伝えていくしかないのではないかと思います。

武尊(左)と那須川天心の「世紀の一戦」(22年6月、東京ドーム、カメラ=中田卓也)

――そういう意味でも大会がターニングポイントになる可能性がある

横澤 まさにそうなんです。火が付き始めたいまだからこそ、すごく危機感もあって。本当にそう、まさに節目っていうのが僕らも感じてることで、めっちゃターニングポイントにいるなって思います。僕は、それはすごい感じてて、危機感あるんですよね。

――志を同じくする方は増えていますか

横澤 ちょっとずつ増えてきてるなっていうのは感じてます。今回のラスベガスとかでも、何人かと話したんですけど、僕らと同じような志を持ってるポーカープレイヤーもいて。「一緒にやりましょう!」と言ってくれる方もいらっしゃいますね。ポーカー業界を盛り上げられるようにもっともっと頑張りたいと思います!(終わり)

せかいのよこさわ 本名・横澤真人。1992年12月10日生まれ。神奈川県出身。大学を中退後、会社を起業。その後、事業が立ち行かなかくなったところで、友人に誘われてポーカーの世界へ。2013年にプロとして生計を立てることを宣言。同年にWPT韓国で優勝した。その後、数々のタイトルを獲得。16年9月にユーチューブチャンネルを開設し、現在世界的なポーカーユーチューバーとなる。

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