海の埋蔵金!?房総の海岸に沈む小判探しは目下進行中
埋蔵金の第一人者・八重野充弘氏による伝説のコラムを復刻している当note。今回はこんなお話です。
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今年のトレジャーハンティングの計画の中で、筆者がこの夏に実行したいと思っているのが、2014年から継続中の海に沈むお宝探しだ。
埋蔵金ではないが、海外のトレジャーハンティングのターゲットは、おもに沈没船の財宝である。アメリカのフロリダ半島では、沖合いに沈む宝船から流出した金貨や銀貨が嵐で海岸に漂着し、それを金属探知機で探す人が大勢いて、そこそこ見つかっている。そんな楽しいことのできる場所が、日本にもないものかと探していたら、あったのだ。
場所は、房総半島の突端にある千葉県館山市の塩見海岸。2005年夏、散歩中の年配の男性が、砂浜で1枚の小判を拾った。
本物の「元文小判」で、骨董価値は約30万円。こういうことがあると、人がどっと押し寄せ、「もっとあるにちがいない」と、そこら中を探し回るのが通例だが、発見当時の報道が地味だったこともあって、騒ぎは起きていない。だから、まだ手つかずの場所といってもいい。砂浜まで打ち上げられた小判は1枚かもしれないが、それだけのはずはなく、館山市立博物館所蔵の古文書によると、時代的に合致する船が沖合いに2隻沈んでいる。
そこで2014年4月、あるテレビ番組の企画として、金属探知機を使った探索を実施したのだが、このときはガラクタしか出てこなかった。ただ、調査エリアは以前小判が見つかった場所を起点にした砂浜だけだったので、翌年の5月と8月に、範囲を海中まで広げて潜水調査を行った。波打ち際から約50mのエリア内では、まだ収穫はないが、確実に一歩ずつ近づいている感触はある。
コロナ禍のためにしばらく間があいてしまったが、事情が許せば、レーキとたも網を組み合わせたミニ底引き網で、深さ5メートル以上の海底を探り、場合によっては潜水具を使って、さらに沖合まで調べるつもりだ。