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サイン本出品者と連絡を取ってみた

 じわじわと、確実に、売れ始めているような気がしないでもないドキュメンタリー芸人・コラアゲンはいごうまん。東スポにおける〝実録連載〟を復刻しています。

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 話は2016年9月2日にさかのぼります。この日仕事で札幌にいた僕は自身の初出版本「コレ、嘘みたいやけど全部ホンマの話やねん。」(1512円)の営業活動をしていました。某書店店長のご好意で3冊あった僕の本全てにサインをして「直筆サイン本」として価値を持たせて売ってくれることになったんです。

 それから1年半後、「なんてこったい」ということがありました。大阪のライブに来てくれた男性のお客さんが終演後「2016年9月2日」という日付入りの僕の直筆サイン本を手にしていたんです。

「アマゾンの中古販売で208円で買いました」。へ~、そうなんですか…ってサイン書いたのに価値がめっちゃ下がっとるやないか! 聞けば出品者のコメントには「状態良好 サイン入り 代金208円」。さらにその下に「送料340円」とあったそうです。送料の方が高いやん!

 気になったので、後日、出品者の方と連絡をとってみました。僕が素性を明かして208円の理由を聞くと申し訳なさそうに「反省してます。コラアゲンさんを知らなかったとはいえ、サイン本なのに相場で売ってすみませんでした」…って、相場って208円なんかい! さらに「どう考えてもサイン本で208円は安すぎます。そもそもどんな本なんですかね。逆に興味が湧きました。なので改めて中古で買います」。

 新書で買え!と突っ込みたくなりつつも、そもそも自分で値段決めといて安すぎるって言うてるし、読んでないみたいやし…なんか不思議な人でした。まあ、ネタ的にはおもろなってきたし、どうであれ興味も持ってくれたわけなので、ザックリ内容を説明しました。

「事務所の演出家の指令で新興宗教に行ったり、知らない人の葬儀に参列したり、ゲイバーで働いたり、それらの顛末を書いてます」

 すると出品者が感心しながらこう言いました。「いろいろ変わった経験をさせられてるんですねぇ」。いやいや、あなたもさせとるがな。

 コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。お笑いライブに加えて企業、医療、学校等で講演活動中。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。


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