ボンクラ記者、不倫を考える。
先週金曜日のVoicyで堀江デスクと、国際政治学者の三浦瑠麗氏と脳科学者の中野信子氏の不倫をテーマにした対談記事についてトークしました。お二人が上梓された『不倫と正義』(新潮新書)をきっかけに行われた本紙の取材記事だったのですが、これがまあ面白い。
今や男性4人に1人が生涯未婚
不倫を面白いなんて言うと「不謹慎だ」なんて石が飛んできそうですが、不倫という行為を肯定するつもりはございませんので悪しからず。特に私が興味を持ったのは中野先生のこの発言です。
もしも一夫多妻がスタンダードだとしたら、魅力的な男性が多くの女性と付き合ってしまい、凡人には結婚のハードルが著しく高くなるだろうし、結果として生涯未婚の独身男性が今よりも増えるに決まっています。ちなみに生涯未婚率を調べてみると、男性5.6%、女性4.3%だった1990年から30年が過ぎた2020年には男性25.7%、女性16.4%まで跳ね上がっています。今や男性の4人1人は生涯結婚しない、もしくは結婚できないのです。なのになぜ男性は一夫多妻を提案されたときに快哉を叫ぶのでしょうか?
人間の脳は一夫一婦型にできていない
これはもう本を読んで直接確認するしかありません。本屋さんにダッシュです。
中野先生によると、一夫一妻型の種は哺乳類では3~5%と少数派、人間は一定の発情期もないからいつでもパートナーを探すことができるし、複数のパートナーを持つことが可能な脳を持っているのだそうです。そしてこう続けます。
なるほど。「一概には言えない」という条件付きではあるものの、AVPの受容体のタイプによって半分の人は他の人に目移りしやすいからだという点をすんなり受け入れるならば、パートナー以外との恋愛関係、そしてその先に不倫が頻発する現実も理解しやすくなる気がします。
中野先生は「壁ドン」がすごく嫌い
不倫について真剣に考える機会ってあまりないですよね。多くの人が不倫はいけないものだと認識していますが、一口に不倫と言ってもいろいろな形の不倫があることを読み進めるうちに気づかされました。私の世代だと、石田純一さんの「不倫は文化だ」発言がパワーワードとして頭の隅に残っているのですが、じっくり改めて考えてみると不倫発覚の開き直りはさておき、言葉が意味するところはあながち的外れでもないのかもしれません。不倫を考えることは人の性愛を考えることであり、家族制度や社会規範、倫理を考えることでもあるはず。最後に本書の中で一番面白かった壁ドンのくだりを紹介して終わろうと思います。中野先生は壁ドンがすごく嫌いだそうです(笑)。
実に痛快!成功例を再び使うというのは身に覚えがありますが、世の中の男性はそんなに壁ドンを実践していない、壁ドンする勇気なんて持ち合わせていないと思ったのは私だけでしょうか。(東スポnote編集長・森中航)