全国穴掘り大会の練習で不発弾を発見!
まさか警察と自衛隊を巻き込むとは…。それは毎年、千葉県成田ゆめ牧場で行われる「全国穴掘り大会」にDVDの企画で参加した時のこと。ルールは簡単。1チーム最大6人で30分間ひたすら穴を掘って一番深く掘ったチームが優勝です。
頂点目指し、我がチームのメンバー(僕と4人の後輩芸人)は大会前、千葉県四街道の知人Mさんの畑で穴掘り合宿を行ったんですが、そこで事件が起きました。スコップにガツンと固いものが当たり、掘り出すと泥まみれの丸い石のようなもの…手のひらより少し大きい程度なんですが、泥と錆を削り落とすと「零式」という文字が浮かび上がったんです。
「えっ? 不発弾?」
とり乱した僕は物体を抱え右往左往。その時脳裏に浮かんだのが、以前取材で出会った北海道留萌駐屯地のHさん。物体を後輩芸人のチェリー吉武に渡して速攻電話しました。
状況と現在地が四街道だと分かるとHさんは厳しい口調で「そこは戦時中、演習場があったところだ」と。まさかのビンゴです。
「絶対そいつに触れるな! 今すぐそこを離れて警察を呼べ!」
パニック状態でメンバーに指示を出そうとした次の瞬間、目を疑う光景が飛び込んできました。前にも言いましたが、吉武はいいやつですが、ちょっぴり〝残念〟な子で、以前はバイト先で「混ぜるな危険」と表記してある洗剤を何かと混ぜて一瞬、有害ガスを発生させた逸話を持ちます。その吉武が少し離れたところで、こびりついた泥を落とそうと不発弾をブロックに打ちつけてたんです!
「吉武ーっ! それ不発弾!」
「えっー!」
テンパった吉武、どうしたと思います? さんざん穴を掘らせてくれたMさんちの庭に投げ込んだんです! で、「伏せてー!」って…やかましわ!
信管抜いてたから良かったものの、放心状態で待つこと10分、到着したお巡りさんに半泣きで「穴掘り大会の練習してたら不発弾が出てきたんです」と伝えました。するとお巡りさんも驚いて「えーっ! 穴掘り大会なんてあるの?」。そっちかーい!
結局、不発弾は最寄りの自衛隊へ。死ぬ思いまでして迎えた大会当日、参加259チームが、各々どの区画を掘るか決めるくじ引きで唯一強靭な粘土層の区画を引き当てた我がチームは89位に終わりました。