お酒大好き矢野通「オレは36時間飲み続けたことがある!」【豪傑列伝#3】
酒とは切っても切り離せぬレスラー、それが矢野通だ。三度のメシより酒が好き。一見すると単なるアルコール中毒にしか映らない…。そんな矢野の酔いどれ人生は、栄光の日本大学レスリング部時代に幕を開ける。
典型的な体育会系の飲み会。しかし、これで矢野の本能が目覚めてしまう。矢野はすっかり酒の魔力に吸い寄せられた。レスリング部の合宿所のある江古田から電車に乗るときもウオツカの瓶を携帯し、車内で飲み干す。ある種、社会の害だ。
それでも鍛えられた(?)肝臓は、プロレス入り後に思わぬ形で役に立つ。デビューから2年がたった2004年、矢野はついに本性を現し、酒飲みキャラに転身。リングに持ち込んだ酒を“凶器”として活用する術を見いだした。
その後、矢野はヨーロッパ遠征を経験し05年5月に帰国。以来「純粋に強さを見せたいというか…」と、ほかに何か深いワケがあるとしか思えない表向きの理由でリング上での酒を封印している。
とはいえ、あくまで公私の別をわきまえただけであって、酒への愛情が薄れたわけでは決してない。現在も一度リングを下りれば昼夜問わずに酒を愛し続ける矢野には、途方もない夢がある。
現在リング上で展開される新日本VSノアの対抗戦には目もくれず、誰もが予期せぬ番外対抗戦をぶち上げる矢野。「オレにとって酒とは? そうだな、血液かな? な、何か川島なお美みたいになっちまったな…」。こと酒に関しては数々の武勇伝と誰にも負けぬ愛情を持つ金狼は、今日もどこかで心地よく酔っているはずだ。
※この連載は2009年4月~2010年3月まで全33回で紙面掲載されました。東スポnoteでは当時よりも写真を増やしてお届けします。