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20年以上売れなくて心が病んだ芸人 驚きの診断結果

 じわじわと、確実に、売れ始めているような気がしないでもないドキュメンタリー芸人・コラアゲンはいごうまん。東スポにおける〝実録連載〟を復刻しています。

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 ゲスの極みならぬトホホの極みな話です。実は10年ほど前、心が病みましてん。というのも所属していたワハハ本舗の演出家・喰始たべ・はじめからのムチャぶり指令に従い新興宗教に潜入したり、ゲイバーで働いたり、一日乗車券で山手線を15周したり…いろいろやり倒したらネタが尽きた。どんな体験をしても以前みたいにおもろいことが起きなくなったんです。

 焦りから朝目覚めては泣き、えずく日々が続き、喰さんに相談。「病んでます。もう前みたいに笑いがとれません」。すがる僕に喰さんこう言いました。

「いつもスベってるけど」

 はっ? 気を取り直して「もう期待にこたえられません」と吐露しました。すると

「誰も期待してません」

 揚げ句の果てには「さてはお前、病んでるな」。そうや~、冒頭でそう言うたわ~。癒やされるどころかむしろイラっとしました。

 その後も、うつ状態が続き、初めて心療内科に行くことに。優しく寄り添ってくれる北村総一郎似の医師に涙とえずきのことを伝えると「それは大変でしたね。ちなみになんでそうなったと思いますか?」。この言葉をきっかけに心が決壊したのか、ネタができないこと、20年以上売れないこと、なのに元相方は雨上がり決死隊の蛍原で売れてること…トホホな半生を5分間咳こむように語り切りました。

 すると医師が一言、「あなた、うつじゃないです」。聞けば、ここまで理由が明確で本人も自覚している症例はないというんです。

「でも症状は出てるんやし、薬ください」

 そう食い下がる僕。

「ダメです」

「ください!」

「ダメです!」

「じゃどうすれば治るんですか!」

「売れればいい」

 そ、そうやけども…。

 テコでも動かない医師に根負けした僕は最後に聞きました。

「うつやないとして僕の病名はなんなんですか?」

 医師はカルテにドイツ語らしき文字を書きながらこう言いました

「気の滅入った人」

 どんな病名やねん!

 コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。

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