「あざとさ」はもう女子だけのものじゃないみたい
テレビ朝日の「あざとくて何が悪いの?」が好調だ。公式Instagramのフォロワーは21.1万人、TikTokのフォロワーは12万、YouTubeのチャンネル登録者数も8万人を超えている。2月19日に放送された回ではM-1チャンピオンの錦鯉が出演し、これまた話題に上がっていた。
「あざとい」という言葉がこれほど日常的に使われるようになったのはこの番組の功績と言っていいだろう。そして書店にも『「あざとい」伝え方入門』(日経プレミアシリーズ)という新書が並べられていた。田中みな実さんや弘中綾香アナの写真こそ使われていないが、このタイトルはあざとくヒットを狙っている気がしたので思わず手に取ってみた。(東スポnote編集長・森中航)
著者の山本御稔氏はプレゼン技術向上やビジネスマンのための確率・統計基礎セミナーなどを手がけるコアコム研究所の代表で、大学でも教鞭をとっている。そんな方がなぜ「あざとい」に注目するのだろうか?
田中みな実が定義した「あざとさ」とは…
実際、田中みな実さんが番組内で「あざとい」の定義に言及した際には、「人間関係・上下関係を円滑に進めるための技法」としており、著者とかなり同じ方向を見ていることがわかる。同じ情報でも伝え方ひとつで受け手の印象がガラリと変わることは結構あるようだ。
だからこそ「勤務時間は11時間。残りの13時間はあなたの自由です」と提案したほうが拒否感は薄れるという。「いやいや、そもそも11時間も働きたくないよ!」とツッコミを入れたくなるが、1日の半分以上が自由に使えると思ったら何だか気が楽になった気がするから不思議だ。
7割は打てないけど、3割打ったらすごいバッター
同様のケースは野球でも起こっている。一般的に打者は3割打つことができればすごいと称賛されるが、逆に言えば7割は打てないのが現実だ。だからこそ7割打てないことに目を向けるのではなく、3割も打てることをアナウンスし、「この人なら打ってくれるはず」という期待を盛り上げていくという。
もう「あざとさ」はモテの道具だけでもないし、女性だけのものではないようだ。