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バッティングセンターで童心を取り戻す

先日、『日本バッティングセンター考』の著者であるカルロス矢吹さんと、流通アナリストの渡辺広明さんと取材で、東京・大塚の「大塚バッティングセンター」に行ってきました。記事には書き切れなかったエピソードをご紹介します。

表紙になったのは北海道・倶知安町にある「高砂バッティングセンター」だそうです

2人の対談については記事をご覧いただくとして、バッティングセンター(以下バッセン)って本当に楽しいですよね。今回は写真撮影のために1打席をお借りしたのですが、打席を貸し切り予約するという人生初のイベントだけで興奮しましたし、矢吹さんも渡辺さんも目を輝かせて大塚までやってきました。

「バッセンに行くときはいつもこうです」と矢吹さんは何食わぬ顔でバッティンググローブを取り出します。さすが草野球チームを率いている経験者。本書の巻末で対談しているピエール瀧さんとは草野球で対戦したこともあるそうです。素振りを見ているだけで、強打者な感じが伝わってきます。ではメダルを入れて実際に打っていただきましょう。

1球目…なんと、矢吹さんはバットを振ることなく悠々とボールを見送りました。不思議に思った私と渡辺さんが顔を見合わせます。

「なんで振らないのだろう?」
「振らないなんてもったいない」

2球目、今度は矢吹さんがスイングしました。3球目もスイング。目と体を慣らしていたんですね。徐々に本領を発揮した矢吹さんは、2ゲーム目の後半でホームランの的をかすめる大飛球を放ち、3人で「あ~~~惜しい!!」と天を仰ぐ瞬間もありました。

矢吹さんの豪快なスイング(※記者カメなので、ピントが甘いです)
矢吹さんのTシャツには「日本バッティングセンター考」の文字

一方、スーツ姿でさっそうと打席に入ったのが渡辺さん。人気ゲームシリーズ「龍が如く」でもバッセンは神室町の定番アミューズメントスポットですが、桐生一馬のように豪快な一打を放てるのか。と期待して眺めていたら意外にもバットを短く持つスタイル。「昔はよくドカベンのモノマネをしたんだよ」とニコニコしています。それを見ている矢吹さんも笑顔。もはやオジサン3人はこれが仕事だということを忘れてバッセンを楽しんでいます。そして球速110キロを選んだ渡辺さんは初球からガンガン振って、とりあえずバットに当てていきますが、本気で振っている表情が面白すぎます(笑)。

並べてみるとちょっとコミカルな渡辺さんのバッティングフォーム

「せっかくなんだから森中君もやらないと!」と促されて、私も右打席に立ちました。野球経験がまったくない私ですが、中学時代に野球部の友人にバッセンに連れていかれたのでとりあえずボールをバットに当てるぐらいはできます。でもなかなか安打性の当たりとはいきません。しかも、バットの芯を捉えていないので打つたびに手首がジーンとしびれますが、それもどこか懐かしくあります。等間隔で次々投げられてくる球にだけ集中してフルスイングを繰り返していたら、さっきまで抱えていたストレスもどこかに消えたような…。

その後は3人仲良く喫茶店に行きました、小学生や中学生だったときに駄菓子屋に寄っていたようなあのテンションで――。(東スポnote編集長・森中航)


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