理想の挿入時間と中イキの真実 女性の本音とリアルを論文から読み解く
見出し画像

理想の挿入時間と中イキの真実 女性の本音とリアルを論文から読み解く

 男性専門外科クリニックで働く現役医師・吉江秀和氏が、性に関する興味深い論文をピックアップする当コーナー。調査結果を紹介するだけではなく、それを踏まえた上で本当に大事なことも教えてくれます。

時間配分の答え

 医学的な早漏でなくても、「理想のピストン(挿入)時間を実現できない」と悩む男性は少なくありません。女性を満足させてこそ一流の男、と思う気持ちはよくわかります。私も、「セックス全体でベストな時間配分はどうしたらいいですか?」とよく聞かれますが、こんなデータがあります。

 東邦大学泌尿器科によって2007年に発表された論文です。対象はウェブでのアンケートに答えた女性5665人。現状と希望する性行為の時間を答えてもらっています。その結果、挿入時間の現状と希望の中央値は共に10分。この研究ではほぼ一致でした。

画像1

 さらにこの研究では挿入時間だけではなく、前戯や後戯の希望時間も調査。その結果、前戯時間の現状は中央値15分、希望は中央値20分。後戯時間の現状は中央値5分、希望は中央値10分であることがわかりました。挿入時間ではズレがなかったものの、前戯と後戯に関しては、女性が現状よりも長い時間を希望していることがわかったのです。挿入の前と後も挿入中と同様に、現状と希望時間で差がない方が幸せに違いありません。ピストン運動の前後はペニスに頼らず、手や口、言葉で気分を高めることだって可能です。そう難しくはないですよね。

 これらを踏まえて、

 ・挿入時間は、1分ではなく10分を目標にする
 ・またそれ以上に重要なのが、前戯時間を20分へ、後戯時間を10分へと現状より長めを目標にする

 と良さそうです。

 女性の満足度目線を考慮した、これらの数値を参考にして目標を定めることでベターセックスライフにより近づけるかもしれません。

画像2

 ただし! この研究では時間配分を調査していますが、それ以前に大事なのは愛情や技術だということもお忘れなく。個人差があるので、自分のパートナーの希望に対応することが何より重要です。数字にばかりとらわれてはいけない…それは、次のようなテーマでも同様です。

膣オーガズム

 注目したのは、ペニスのサイズと中イキの関係。私は、「ペニスが小さいから相手をイカせることができないでしょうか?」という相談を受けることがあります。読者の皆さんの中にも、気になっている人も多いかもしれません。私もいろいろと調べているのですが、正直、中イキ(膣内オーガズム)に関して、ペニスのサイズは無関係ではないかもしれません 。とはいえ、必ずしもそれがすべてではないのが性の深く、面白いところ。サイズが小さいことが、パートナーがイケない理由だとは限らないのです。

 2010年のチェコの論文で、膣オーガズム(いわゆる中イキ)とペニスの大きさにどの程度関係があるか調べた論文があります。興味深いのは、この論文では「挿入時間」や「挿入中に膣の感覚を意識できるか」、さらには「膣オーガズムがあることを教わったか」など、サイズ以外の要因についても調べていることです。

 対象となったのはチェコの女性1000人(平均年齢44・5歳)。その結果、女性の中イキに最も重要な因子は、

 ①女性のオーガズムには膣が重要であると知っていること

 ②挿入中に膣の感覚に集中していること

 だと分かりました。つまり、性教育やネットなどの情報で中イキには膣が重要であることを知っていて、性行為中に膣ペニスと膣の感覚を意識できる女性が、中イキを経験しやすいわけです。

画像3

 もちろん、挿入時間やサイズも関係してきますが、それ以上に重要なことがあるのがお分かりになると思います。「ペニスの大きさがすべてではない」というだけでも、気が楽になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 吉江秀和(よしえ・ひでかず)医学博士、大手男性専門クリニック本院院長。男性医学の第一人者である熊本悦明氏が立ち上げた「東京テストステロン研究会」に所属し、共に男性医学の啓蒙を行っている。人気サイト「ペニス偏差値チェッカー」も主宰。


【引用論文】

永尾光一,他:女性を対象とした「よりよい性生活」に関する意識調査.日性会誌22:287-300,2007/永尾光一,他:特集 若者で話題の射精障害_早漏. 泌尿器外科 2013年 26(9),1363~1371

Brody S et al.”Vaginal orgasm is associated with vaginal (not clitoral) sex education, focusing mental attention on vaginal sensations, intercourse duration, and a preference for a longer penis.” J Sex Med 2010 7(8):2774–2781.


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
うれしい、たのしい、大スキ!
東京スポーツ新聞社の紙面で過去に掲載された連載がまとめて読めたり、ココだけしか読めないコンテンツがあったりします。できる範囲で頑張ります。