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「人類史上 最恐の頭脳」は〝煽りコピー〟じゃなかった!!

企画趣旨

読書はもっとも身近なインプット。そして他紙とは違う切り口が求められる東スポ記者はプライベートでどんな本を読んでいるのか? 小説やマンガじゃなくたって何でもござれで読み漁ります。(デジタル・事業室 森中航)

刺さるキャッチコピーとプロレスラー

さて、先日も「何かないかな~」と書店をブラブラしていると、すごいキャッチコピーが目に飛び込んできました。

「人類史上 最恐の頭脳」

ヒョードル

人類最強の男といえば、この人。エメリヤーエンコ・ヒョードルじゃなかったの!? そう思ってもう一度凝視してみると、「最強」ではなく「最恐」でした。こうなると勝手に頭に浮かんでくるのが、プロレスラーの異名です。「燃える闘魂」といえばアントニオ猪木、「破壊王」といえば橋本真也、「ブルージャスティス」といえば永田裕志…、もう次々出てくるわ~と思いながら書棚に手を伸ばしました。

猪木橋本永田

何もかもが〝レベチ〟の天才数学者

さっそく、帯に書いてある概要を読んでみます。

ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。
 ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より

う~ん、コレは若干難しそうとは思ったものの、サブタイトルに「人間のフリをした悪魔」とまで書かれたら、どんな悪魔なのかを知りたくなるのが記者の性。というわけで、ハンガリー出身の天才数学者、の評伝を最後まで読みました。

結論を先に申し上げますと、「人間のフリをした悪魔」というサブタイトルはまったく煽りコピーではありませんでした。ノイマンはアインシュタインゲーデルといった天才たちが集まるプリンストン高等研究所の教授陣の中でも桁違いの超人的な能力を発揮して、実際に「人間のフリをした悪魔」と呼ばれていたというのです。つまり天才の中の天才で、天才たちがそう呼称したのだと(凡人なりに理解しました)。

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もうノイマンの生い立ちエピソードからぶっ飛んでいるんですよ。ハンガリー人の子守りからハンガリー語を、ドイツ人の子守りからドイツ語を習得。家庭教師からフランス語英語イタリア語を、父親からギリシャ語ラテン語の英才教育を施され、6歳のノイマンは来客が適当に開いた電話帳のページをその場で暗記し、客がランダムに氏名を尋ねると、ノイマンがその電話番号と住所を答え、客が電話番号を尋ねるとノイマンが氏名と住所を答えるゲームをしており、しかもノイマンはそのページの6桁の電話番号の列をすべて足した和を暗算で求めることもできたそうです(これ、どんなゲームなのでしょう…)。

さらに10歳でギムナジウム(一流大学へ進学できるよう10~17歳まで一貫教育を行う学校)に入ると、異常な数学能力を発揮し、飛び級どころか数学教師が「ご子息にギムナジウムの数学を教えるのは時間の無駄であり、罪悪です。彼には大学レベルの数学を教えるべきです」と進言。スイス連邦工科大学とブダペスト大学大学院数学科に同時に通って、卒業と同時に博士論文も完成させてしまうってどんだけ~!!なのでしょう。

ノイマンは火星人だったのか?

そんなノイマンが激動の時代に巻き込まれるかのように原子爆弾の開発の中心的存在となるに至るまでのストーリーも実に読み応えがありました。また、現代のコンピューターの根本となる「プログラム内蔵方式」の概念を生み出したのがノイマンだったということもこの本で初めて知りました。ノイマンがいなかったらパソコンもスマホもなかったのです。この世界を変えたノイマンはこの世界を壊す兵器も作っていたのです。

天才か悪魔かはぜひご自身で読んで判断していただきたいのですが、ノイマンの娘が2012年に『火星人の娘』というタイトルの自伝を出版しているところが気になりますよね、東スポ的には。

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