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新人カメラマンになった私の〝球場デビュー戦〟はバタバタの連続でした【写真13枚】

お久しぶりです。前回、スポーツ観戦のすすめを書かせていただいた新人の藤原です。その後、写真映像部に配属となり、カメラマンとして野球取材に行かせていただきました!今回は私の球場デビューの話を、自分が撮った写真で書こうと思います。(写真映像部・藤原寛奈)

初めてのプロ野球取材!

8月16日に神宮球場で行われたヤクルト対阪神の取材に行って来ました。実は一度横浜スタジアムに取材に行ったことがあるのですが、その時は雨天で試合が中止になり練習のみでした。そのため、試合は今回が初めてとなります!

球場でO先輩と試合開始4時間前くらいに待ち合わせて、球場入りします。カメラマン席は、選手がいるベンチの隣!ここにあります!今日は3塁側を拠点とします!

ここから選手の動きを追っています(22年8月16日)

カメラマン席についたら、早速準備をします!望遠レンズに一脚を付け、ズームレンズを肩にかけて、カメラマンスタイル(球場ver.)の完成です!

神宮では余裕がなかったので横浜スタジアムで先輩に撮ってもらった私

ちなみにめちゃくちゃ重くて大きくて取り扱いに苦戦していたところ、O先輩に「そのレンズとカメラ本体合わせたら何百万するよ…!」と言われ、ゾッとしたので細心の注意を払って扱います…。

そんな、私個人では絶対持てないような高価なカメラで、お金を払っても入れないカメラマン席で試合を見られる…試合だけでなく、普通の観客では見られない開場前の練習も見られる…もうプロ野球ファンとしてはたまらない野球取材が始まります…!

暑すぎる…でも先輩がアドバイスしてくれた

まずは他社の先輩カメラマンの方々にご挨拶!わからないことは聞いてね!とおっしゃって下さる優しさに感無量。実際に現場では他社の先輩に教えて頂くことも凄く多いです…!

そうこうしているうちに、徐々にグラウンドに集まるヤクルトの選手達…!プロ野球ファンにとって”夢のような時間”ですが、現実はそんな甘くありません。

暑い。暑すぎる…。

この日の東京の気温は36度。神宮球場のカメラマン席には屋根はありますが、風もなく、汗が止まりません…

しかも常に一脚がついた大きなカメラを持っているので、カメラを置いて水分補給するのも一苦労…しかしあまりの暑さに、これは無理してでも水分補給しないと倒れる…そう思いました。

というかもう試合開始前にノックアウトされそうでした。他社の先輩からも、服装など暑さ対策のアドバイスを頂きました…カメラマンは結構天気に影響される仕事です…!

嶋選手とお話しして頭が真っ白に

先が思いやられる中、グラウンドに目を向けると、元楽天の嶋基宏選手が先輩方と何か話をしている様子…!!しかもカメラマン席の前の超至近距離に!!!

「…嶋選手!!」

もう見ただけで胸がいっぱいになりました。楽天ファンかつ、宮城が地元の私にとって嶋選手は今でも特別な選手です…!!一人で勝手に感動していると、なんとO先輩が私を嶋選手に紹介して下さりました。

「うちの新人です。仙台出身なんですよ!」

え、嶋選手とお話し???
もうパニックです。あの嶋選手がこっちを見ています…もう訳がわかりません。わからな過ぎて、私は仙台出身ではなくて…など余計なことが、どんどん頭によぎってしまい、さらに混乱。素直に、この嶋選手に会えた感動や喜びを口にしたかったのですが、慌てた私の口から出たのは、

「いつも地元のCMで拝見しております!!」

え~~!何言ってんの!?自分!?恥ずかしい!頭が真っ白になりました。そんな私にも嶋選手は優しく対応してくれました…本当すみません…ありがとうございます…

その後も感動して、ずっと嶋選手を見ていたのですが、元気よく大きな声を出して、ニコニコの笑顔で練習されていました。私が勝手に想像していた"嶋選手”そのもので、ファンとしてはとても嬉しかったです!!

練習中も笑顔がまぶしい嶋選手(22年8月17日、カメラ=藤原寛奈)

試合前の練習中からめっちゃ忙しい

開場前の球場では、ホームチームの練習後にビジターチームの練習があります。練習では、注目選手などを中心に撮影します。16日は、阪神の大山選手、北條選手、中野選手の3人が練習のみ参加していたので、この3人を必死に撮影しました。

左から矢野監督、大山悠輔選手、北條史也選手、中野拓夢選手(カメラ=藤原寛奈)

私は、SNSにあがる選手のオフショット的な写真が大好きで、入社以前から趣味でスポーツ紙などのアカウントをチェックしていました!自分も野球取材に行くことがあれば、ファンに喜ばれるような写真を撮って載せたい!!とずっと思っていたのですが、撮ったりカメラを持って移動したりするのに必死で、SNSに載せる余裕が全くありません…

3日目から一人で試合に行くようになり、さすがに先輩に甘えていられないと、SNSも頑張り始めました!ぜひ皆さん見て下さい!

くるりんぱに挑戦中のつば九郎(22年8月、カメラ=藤原寛奈)

オフショットではないですが、私がSNSに載せた中で一番反響が大きかった写真です。

「東スポ写真部」のTwitter、Instagram、TikTokYouTubeあります!ぜひフォローしてください〜!いいねやコメントも待ってます!ちなみに野球の写真はTwitterとInstagramによく載ってます!

いよいよ試合開始!

ビジターの練習が終わると試合が始まるまで少し時間があるので、その時に買ってきたパンなどを食べて、試合に備えます…!本当は球場メシを買いに行ってもいいのですが、心の余裕がなく、残念ながらまだ食べたことがありません…

いよいよ試合開始!
ここからは怒涛です!まずは先発投手!投手の球離れの瞬間や顔が見える瞬間、投げ終わりなど、色々とかっこいい写真を撮っていきます。

青柳晃洋投手(22年8月16日、カメラ=藤原寛奈)

どれくらいの大きさで撮ればいいかわからず、めっちゃ小さく撮ってしまった初日…

一応、試合が終わるころには少しは大きく撮れるようになりました。写真の端が切れそうで、ついつい小さくとってしまうのは〝初心者あるある〟らしいです。

マクガフ投手(22年8月16日、カメラ=藤原寛奈)

投手も!打者も!ベンチも!あ~忙しい!!

うまく撮れないからと言って悠長に撮りなおしている時間はありません。試合が始まる1回表、つまりビジター側の1〜3番の攻撃になる訳ですが、得点が期待される上位打線です!打つんです!投手も撮らないといけませんが、打者も撮らなければなりません!できるだけ早く先発ピッチャーの写真を確保し、打者にターゲットを移さなけらばなりません!ボールを打つ瞬間を狙って、振り切った瞬間など、こちらも色々とカッコいい写真を狙っていきます。

ビギナーズラックで糸原選手の本塁打を撮った奇跡の1枚(22年8月16日、カメラ=藤原寛奈)

打者が打ったら球を追います!しかし、球を追うのに必死で、誰にピントを合わせようかパニックになっているうちに大体終わってます。本当は、打った人が塁上でガッツポーズする様子や、打たれた人が落ち込む様子、ファインプレーした人を讃える様子などたくさん撮りたい場面はあるのですが、なかなか難しいです…。

2回裏、同点のチャンスに中村雄平のフライで本塁に還れず、磯村嘉孝にタッチされる村上宗隆(22年8月24日、カメラ=藤原寛奈)

そして試合そのものだけでなく、ベンチや監督の様子も撮影します。

ここからは、いい写真が撮れたら、編集して会社に送信。送信しつつも、いい瞬間を撮り逃さない。の繰り返しです。もうバタバタです。守る側も攻める側もベンチも、押さえたい瞬間を逃さないように、緊張しっぱなしです。そして送る際は、選手名や場面を間違えないように。正直、撮り逃しまくり&情報間違えまくりです…

初日は、後ろからO先輩にこの場面撮って!これ送って!ここはこういう感じの写真を!編集はもっとこんな感じで!と指導して頂きなんとか撮影しましたが、もう次から次に試合が進んでいき、待って待って!という感じでした。

ホームランが飛び出すたび私はパニックですw

この日私が1番パニックになったのが、ホームランです(ちなみに毎日ホームランの度にパニックなってます)。ホームランは、いろんな写真が撮れます。しかも記事になりやすいので、絶対に押さえたいところです。

打った後のバット投げなど絵になるかっこいい瞬間やベンチでのハイタッチ。打たれた投手との絡みも撮れます。

ソロ本塁打を打った糸原の首にはウナギの虎メダル(22年8月16日、カメラ=藤原寛奈)
青木に本塁打を打たれてがっくりのアルカンタラ(22年8月16日、カメラ=藤原寛奈)

その様々な場面にピントを合わせて撮る。無理です。全然撮れません。めっちゃ失敗します。何にもピントが合ってない写真や、切れてしまっている写真、被って見えない写真。こんなのばかりです…

3ランで喜ぶロハス選手のジャンプが高すぎて失敗しました(22年8月18日、カメラ=藤原寛奈)

デスクに、あの場面の写真ある?と聞かれて、「ないです…」と答える日々!全部あります!と言えるようになりたい…!!!

試合後は、ハイタッチや、勝利チームのヒーロー、帰る選手や監督を撮影して終了です。

この日のヒーローは長岡秀樹、高梨裕稔(22年8月16日)

その後は、球場や自宅で、試合中に送れなかった写真や、記事に合わせた写真を追加で送信。SNS用の写真を用意しアップします。私は余裕がないので、その日の夜中にあげたいのに次の日になってしまうことも多々あります…。

球場デビュー後、3連戦を振り返って…

球場デビュー後、そのまま3連戦を取材しました。試合中は必死で何も周りが見えず他社の先輩方には迷惑をかけてばかりで、心苦しい思いをしました…。

特に2日目に、一脚が抜けなくなって大慌てして、隣に座っていた他社の70歳レジェンド記者のパソコンにカメラを落とした時は、終わったかと思いました。思い出す度に震えます。本当に申し訳ありませんでした。

正直、最初は暑くて重くてやること多くて、野球を楽しむところではない!と思ってましたが、最近は推しの選手の打席で打てるように念じながら写真を撮るなど、徐々に楽しんでいる自分がいます。というか、4試合目あたりから、めっちゃ楽しいです。多少余裕が出てきたのか、ベンチでこんなことしてる!この選手めっちゃ声出すじゃん!あ、こことここって仲良いんだ!など、カメラマンの〝特権〟を活用できてる気がします。

これからもっと楽しく野球が取材できるように!野球の面白さをお伝えできるように!成長していきたいと思いますので、新人カメラマン藤原を何卒よろしくお願い致します!

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