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東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」公式サイトができました!!

 流行語大賞だったり、M―1グランプリだったり、12月には〝年の終わり〟を感じさせるイベントが続きます。でもプロレス好きの私の中で12月といえばやっぱり東京スポーツ新聞社制定の「プロレス大賞」です! これまでは毎年「MVPは○○で、ベストバウトはあの試合だろうな。でも○○対○○の試合も熱かったしな…」と妄想して楽しんでいましたが、今年は社員という立場で、しかも〝特命〟を受けて、緊張感を味わいながら楽しむことができました。(デジタルメディア室・佐藤悠樹)

私がプロレスに夢中になるきっかけを作ったオカダ・カズチカvs棚橋弘至の一戦(12年6月16日、大阪・ボディメーカーコロシアム、カメラ=中西弘之)

 1974年に始まった「プロレス大賞」は今年で49回目を迎えました。今年は15日に選考会が行われ、翌16日発行の紙面で発表されるという流れはいつも通りだったのですが、実は同じ16日に「プロレス大賞」の公式サイトをオープンさせるというミッションを受けていたのです。私もプロジェクトメンバーの1人として、歴史ある賞を紹介するにはどのようなWebサイトがいいのだろうかと検討を重ねました。手前味噌ながらプロレスファンに楽しんでもらえるサイトになったと思うので、今日はおすすめポイントを3つ紹介させてください。

レアな写真が盛りだくさん

 東スポには先輩カメラマンが撮ってきた貴重な写真がたくさんあります。特にプロレス関連の写真については他社の追随を許さないほど圧倒している資産だと思います。サイトのワイヤーフレームを作る段階から、写真を豊富にダイナミックに見せられるような構造を意識しました。また、49年分にもなる年別ページをあちこちのぞいてみたくなるにはどうしたらいいのかとサイト内の導線設計にも気を遣いました。

クリックすると2022年のページに飛べます

 実際にご覧いただくのが早いと思いますが、「2022」とクリックすると、まず大きくMVPに輝いたプロレスラーの写真が表示されます。そこから画面を下へとスクロールすると、「寸評」が出てきてこれを読むことで当時の記憶がよみがえってくると思います。さらにその下の写真ギャラリーを拡大表示すれば、きっと懐かしさが爆発するはずです!

 次から次へと写真を見ていただけるよう画面右にサムネイル表示を設けたところもこだわりのひとつです。当時の紙面でも使われなかったオフショットまで満載にしていますのでぜひ楽しんでいってください。

 別団体に所属していて普段はリングで交わることのない選手どうしが、プロレス大賞の授賞式というイベントで一堂に会しているというのも刺激的だと思います。私のおすすめは「アンドレザ・ジャイアントパンダ」の写真です。大きくて見栄えがいい上になぜかすごくほっこりするので、ぜひ探してみてください。

見やすくなった受賞者一覧

プロレス大賞の主な賞は以下の通りです。
・MVP(最優秀選手)
・ベストバウト(年間最高試合)
・最優秀タッグ
・殊勲賞
・敢闘賞
・技能賞
・新人賞
・女子プロレス大賞
・最高殊勲選手(1983年まで)

 これまで東スポWEBにも歴代の受賞者一覧表を掲載していたのですが、表の並びが縦に2段になっており、どうしても見にくい部分がありました。せっかくプロレス大賞の公式サイトを作るのですから、視認性の高いデザインにすることが最優先事項だと考えました。

クリックすると歴代受賞一覧ページに飛べます

 ところが後日、先輩記者から「この受賞者一覧に抜け落ちている人がいるよ」と思わぬ指摘を受けました。見せていただいた紙面には「最高特別大賞」「努力賞」など見たことのない賞が…。どうしようかとメンバーで話し合った結果、公式サイトなのだからしっかりすべての賞を網羅しようという結論に至り、そこから過去の紙面縮刷版を調査することになりました。すると他にも「カムバック賞」や「優秀レフェリー賞」など、近年にはなかった賞が見つかり、別の面白さに気づくことができました。個人的に引っかかったのが1985年にあった「特別外人賞」です。今だったら絶対に表記は「外人」じゃなくて「外国人」だよな、と時代のうつろいを感じました。

寸評のテイストが面白い

 プロレス大賞を発表する紙面には、誰と誰が候補に挙がり、何票差で競り合ったという選考過程が載っています。これもコンテンツになると考えたので、縮刷版を引っ張り出してしひたすら写経しました(笑)。しかし、つらいだけでなく楽しい発見もありました。プロレス好きの私でも生まれる前の時代だと知らないことが多く「この時代はこの団体の勢いがすごかったんだ」と楽しむことができました。

 当時の空気をそのまま残すという意味で、レスラーの表記揺れもそのママにしました。〝インドの猛虎〟の異名を持つプロレスラーといえば「タイガー・ジェット・シン」ですが、1974年の原稿には「タイガー・ジット・シンの腕を折るという凄絶な戦いを見せ…」と記述してありました。間違いかと思いベテラン記者に聞いたところ、「昔はそういう表記が普通だった」と教えてくれました。もしかしたらオールドファンには馴染み深い表記かもしれません。

今後も少しずつアップデートします

 現在、プロレス大賞の公式サイトには2022年度の受賞者までの情報が載っています。リリース直前に誤字やデータが足りていない箇所を見つけて、正直ドタバタでした。余裕を持って進めていたプロジェクトのはずなのに、新サイトを立ち上げる大変さを学びました。ここで明言することはできませんが、まだ足りていないところはこれから随時アップデートを行っていこうと思います。

 今回のプロジェクトは社内の人間だけでなく、デザイン会社さん、システムエンジニアさんを巻き込んでの仕事となりました。それぞれのお仕事で忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。この場を借りて関係者のみなさまにお礼申し上げます。たくさん勉強する機会に恵まれたので、今後はこの知識を活かしていけるよう頑張ります。

エピローグ

 サイトがリリースされた日、あるベテランの先輩に「立ち上がりました!」と報告しに行きました。その先輩はサイトをくまなく見てくれて、「すごいもんができたな」と私たちを労ってくれました。先輩の目が釘付けになったのは意外にも「選考委員」の名前がずらっと並んでいるところでした。

「すごい先輩がいたんだよ」
「この人の原稿は面白くてさ」

うれしそうに昔話を始める先輩を見て、この仕事をやり遂げることができて良かったと心から思いました。

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