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復刻!笑点メンバーも認めたドキュメンタリー芸人の「東スポ」コラム

 紙面上で人気を博したコラムを「note」で復活! 今回からは、自らの体験談を漫談にする唯一無二のドキュメンタリー芸人にして、「笑点」にも抜擢された春風亭一之輔からも高い評価を得ている「コラアゲンはいごうまん」の「ネタちゃいまんねん ガチでんねん」を公開します。2017~18年に連載され、「読むだけで気が楽になる」と読者に大好評。その理由は…読めば分かります!

口上

 読者の皆様、こんにちは。「コラアゲンはいごうまん」と申します。「東スポnote」の錚々たるラインアップの中で、過去の連載を再録させていただくことになりました。BMWの横に事故車を展示するようなものでして、書くは書くでも恥をかく内容なのですが、連載当初から、担当記者さんはそれでいい、と。「あなたの話を聞いてると、『俺はまだこの人よりマシだなあ』って思えるんですよね」と。そういうことかい!とツッコミたくもなりましたが、確かに僕の人生は「売れない」「金ない」「ツイてない」〝負のハットトリック〟。例えば、最初はこんな経験からお話してみましょか。

トンデモ指令

 皆さん、世界のNASAに電話かけたことあります? 僕はありますねん。と言うのも、僕の芸は以前所属していたワハハ本舗の演出家・喰始(たべはじめ)から出されるムチャな指令を体験してそのエピソードをしゃべるドキュメンタリー漫談。ある時は新興宗教の集会に潜入、またある時は会ったこともない方の葬儀に参列、そしてこの時の指令は「宇宙人に会う努力をしろ」でした。

 ライブが迫ってたんで血まなこで宇宙人を探そうとしたんですが、どうやったものか。で、ひらめいたんですわ。そうや、宇宙人と言えばNASAやろ、と。すぐに電話して聞いてみたんです。

「エイリアン カミングスーンリアリィ?」

 ほな、ベロニカ言う女性やったわ、ありえへんくらい優しい口調で「ハウ オールド アーユー?」。そりゃそうですわな。相手にされるわけないですやん。

 困った僕は最後の手段に出ました。「私は宇宙人に会いたい 実は自分は宇宙人だと言う方 私に声をかけて下さい」と書いたボードを持って日曜の新宿に立ったんです。

これがそのときの写真です

 さされる指、嘲笑、ヒソヒソ話…恥ずかしいってもんじゃない。でも、一生分の好奇の目を浴び、心が折れそうになった時、色白、小柄、ヒョロっとしたオタク風の若者がスーッと僕に近づいてきました。

「…宇宙人です」

 マジー!? 大スクープやん!

 聞けば、その宇宙人さん、バイトの面接の帰りだとか。初めて見る生宇宙人にいろいろ聞きたくて喫茶店に移動しました。結論から言うと、宇宙人だというのはウソで、宗教の勧誘が目的でしたが、気を取り直してニセ宇宙人に「なんでウソまでついて声かけてくれたん?」と聞いたんです。そしたら何て答えたと思います?「あなたには救いが必要だと思った」って…。

 こんな僕が経験したリアルなトホホ話を今後も再録していきます。お付き合いください。

 ◆コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。11月13日、横浜にぎわい座で「第二十回 コラアゲンはいごうまん・春風亭一之輔 二人会」を開催する。


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