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ウソみたいな人違い3連発+1

 じわじわと、確実に、売れ始めているような気がしないでもないドキュメンタリー芸人・コラアゲンはいごうまん。東スポにおける〝実録連載〟を復刻しています。

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 こんな僕でも芸能人なんです。何年か前、福岡のコンビニで買い物してたら若い男性が寄ってきて「いつもユーチューブ見てます!」。地上波ではないですが、ネタを見てもらえるのはうれしい。何より僕なんかに感激して「握手してください!」。むしろこっちが恐縮して「もちろん! 僕のこと、ご存じなんですか」。するとその男性「はい、いつもユーチューブでNHKの集金を撃退してる立花さんですよね」。

 どうやら「NHKから国民を守る党」(当時)の立花孝志さんと勘違いなさっていたようです。僕は、握手してた手をゆっくり離して「違います」と丁重に頭を下げました。

 思えばこんなことは初めてじゃありません。以前は札幌の大通り公園で女性2人に「(韓国の有名タレント)カン・ホドンさんですよね」。岡山では取材で路上生活者の炊き出しに同行したら、配給する教会の方に「谷口さん久しぶりー」と言われました。僕に似た谷口さんという路上生活者がいるそうです。

 立花孝志さん、カン・ホドンさん、岡山の谷口さん…この世には自分に似た人が最低3人はいるといわれますが、早くもコンプリートしてしまいました。

 で、話を福岡のコンビニに戻します。何度「僕は立花さんじゃないです」と言うても「またまた~、立花さん、今日はお忍びで来られたんですか?」。ただでさえ30年以上芸能界で忍んでるのにさらにお忍びするわけありません。ラチがあかんので「僕はコラアゲンはいごうまんというお笑い芸人です」と素性を明かしました。そしたら、あんだけ立花さんの一点張りやった男性、なんて言うたと思います?「そっちか」。どっちやー! 絶対僕のこと知らんやろ!

 しかし、事実は小説より奇なり。

「知ってます。潜入芸人でしょ。前にすべらない話に出てましたよね」

 何と、数少ないテレビ出演を見てくれてた方だったんです。その上で立花さんに間違うのもすごいですが、何より長年芸人やってて「それはそれで知ってる」パターンは初めてでした。こんなことあるんですねえ。

 コラアゲンはいごうまん 1969年生まれ。自ら体験した出会いやエピソードで観客に爆笑と感動を与える実録ノンフィクション芸人。お笑いライブに加えて企業、医療、学校等で講演活動中。著書に「実話芸人」(幻冬舎文庫)。


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